神鋼商事の第2四半期は経常減益だが非鉄部門の子会社統合など着々と布石

■鉄鋼、鉄鋼原料などの取扱数量は増勢続き売上高は4.9%増加

 神鋼商事<8075>(東1)の2020年3月期・第2四半期連結決算(2019年4~9月・累計)は、鉄鋼、鉄鋼原料を中心に機械、溶接材料などの取扱数量が増加し、売上高は前年同期比4.9%増加して4847.74億円となった。

 一方、利益面では、米中通商問題など受けた中国経済の減速などによる海外事業の投資利益減少、有価証券評価損の計上などにより、経常利益は同13.5%減の33.88億円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は同41.2%減の17.24億円となった。

 このような環境のなか、国内では、非鉄金属セグメントでのグループシナジー深化による一層の営業力強化を図ることを目的に、アルミに強い連結子会社・コベルコ筒中トレーディングと、同じく黄銅などに強い中山金属を合併し、7月1日付で「神鋼商事メタルズ株式会社」として同日から営業を開始した。

 また、海外では、米国の線材二次加工拠点である「Grand Blanc Processing, L.L.C.」の設備増強を行い、生産能力の向上をはかった。中国では、アルミコイルセンター「蘇州神商金属有限公司」での設備増強を実施し、新規の受注活動や需要の拡大に注力する態勢を強化拡大した。

 こうした効率化や設備増強の効果は、この下期から来期以降、次第に発現してくる見通し。20年3月期・通期の連結業績見通しは、まだ上期の積極投資などにかかわる費用が残るため減益の見込みとしたが、前回の予想を据え置いた。売上高は前期比2.9%増の9800億円、経常利益は同12.7%減の70億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.3%減の46億円、予想1株利益は519円48銭。

 株主配当は、9月中間配当を前年同期と同額の1株55.0円の予定とし、3月期末配当も前年同期と同額の1株55.0円の予定とした。(HC)

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