トシン・グループは戻り高値圏、20年5月期増収増益予想

 トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。20年5月期は小幅ながら増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開

 首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。

 収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。

■20年5月期増収増益予想

 20年5月期(20日締め)連結業績予想は、売上高が19年5月期比1.1%増の445億円、営業利益が2.1%増の22億75百万円、経常利益が1.4%増の31億30百万円、純利益が1.0%増の20億50百万円としている。配当予想は19年5月期と同額の56円(第2四半期末28円、期末28円)で、予想配当性向は22.3%となる。

 新規得意先開拓や既存得意先の深掘り、リフォーム需要や省エネ関連需要の取り込みを推進するが、新築住宅着工戸数減少や競合激化など厳しい市場環境で利益横ばい予想としている。やや保守的だろう。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.1%減の103億39百万円、営業利益が13.3%減の4億93百万円、経常利益が8.5%減の6億81百万円、純利益が8.3%減の4億50百万円だった。粗利益率は0.5ポイント改善したが、新築住宅着工戸数の伸び悩み、梅雨・低温の長期化による空調機器類の販売低迷などで減収となり、各利益も減益だった。

 第1四半期の進捗率は売上高23.2%、営業利益21.7%である。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば概ね順調だろう。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は戻り高値圏

 株価は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月1日の終値は6450円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS251円42銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想56円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS4397円96銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約736億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る