加賀電子が一段高、第2四半期14年ぶり最高益と伝えられ注目強まる

■半年ぶりに2200円台、EMS事業など好調で通期業績上振れも

加賀電子<8154>(東1)は11月6日、一段高で始まり、取引開始後に2220円(57円高)をつけて2019年4月以来、約半年ぶりの2200円台に進んだ。

 第2四半期連結決算(2019年4~6月・累計)の営業利益が、「前年同期比4割増の50億円強になったようだ。同期間として14年ぶりの最高益」(日本経済新聞11月6日付け朝刊)と伝えられ、高業績に対する評価が再燃した。

■富士通エレなどのグループ化効果が前倒し的に現実化

 第2四半期の決算発表は11月7日の予定。第2四半期の予想数字は開示していないが、前年同期は37.7億円だった。同社は電子部品商社の強みを生かしたEMS(受託製造)事業が拡大している。さらに、一段の拡大に向け、19年1月に富士通エレクトロニクス(非上場)を連結化したのに続き、7月には、19年3月に上場廃止となったパイオニアの製造子会社・十和田パイオニアもグループ化した。海外でもタイ、ベトナムなどで増設などを進めている。

■世界的になエレクトロニクス関連市況の回復も注目要因に

 こうした積極展開により、通期、20年3月期の連結業績予想(8月の第1四半期決算発表段階)は、売上高を前期比46.9%増の4300億円とする。一方、営業利益は積極投資にともなう先行費用などにより前期比7.5%減の70億円、親会社株主に帰属する純利益は同37.6%減の50億円を想定する。

 こうした積極投資の成果が本格化するのは来期・21年3月期以降との見方が少なくなかったが、投資成果が前倒し的に現実化してきたとすれば、今期・20年3月期の業績も上振れる可能性が出てくる。調査筋の中には、世界的にエレクトロニクス関連市況が回復してきたことなどもフォローの風になるとして注目を強める様子もある。(HC)

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