サンコーテクノは反発の動き、20年3月期増収増益予想で2Q累計順調

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 サンコーテクノ<3435>(東2)は、建設用あと施工アンカーなどのファスニング事業を主力としている。民間・公共設備投資が堅調に推移して、20年3月期増収増益・連続増配予想である。第2四半期累計は2桁増収・営業増益と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。株価は10月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■ファスニング事業と機能材事業を展開

 ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの製造販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)を主力として、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、アルコール検知器関連の製造販売など)も展開している。

 19年3月期セグメント別売上高構成比はファスニング事業が82%、機能材事業が18%、営業利益構成比(連結調整前)はファスニング事業が87%、機能材事業が13%だった。収益面では建設投資関連のため期後半の構成比が高い特性がある。

 ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。

 新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上を掲げている。建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。

 19年2月電子基板事業強化に向けてプリント基板表面実装・加工の浦和電研を子会社化、19年4月事業多角化に向けてプラスチック成形機・包装機輸入販売の成光産業・成光パックを子会社化した。

■20年3月期増収増益予想で2Q累計順調

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.5%増の183億円、営業利益が5.5%増の13億90百万円、経常利益が5.7%増の14億10百万円、純利益が2.3%増の9億65百万円としている。配当予想は2円増配の26円(期末一括)としている。連続増配である。

 売上高の計画はファスニング事業が1.1%減の138億50百万円、機能材事業が46.9%増の44億50百万円としている。ファスニング事業においてはインフラ補修・保全や20年東京オリンピック・パラリンピック関連など民間・公共設備投資が堅調に推移し、機能材事業においてはM&A効果も寄与する見込みだ。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.0%増の87億34百万円、営業利益が14.8%増の5億66百万円、経常利益が10.0%増の5億72百万円、純利益が7.7%増の3億62百万円だった。

 ファスニング事業は8.4%増収、4.1%増益だった。あと施工アンカー、完成工事、ドリル・ファスナー製品が総じて堅調だった。機能材事業は41.4%増収、34.3%増益だった。電動油圧工具関連、電子基板が好調に推移し、包装・物流機器関連も寄与した。

 第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、建設投資関連で期後半の構成比が高い特性を考慮すれば順調だろう。通期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。

■株価は反発の動き

 株価は10月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月8日の終値は996円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS118円03銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想26円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1477円95銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約87億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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