Jトラストの第2四半期連結決算は営業利益4.7倍などと拡大・改善が目立つ

■戦略的な不良債権処理から回復が目立ち四半期純損益も大きく改善

 Jトラスト<8508>(東2)の2019年12月期・第2四半期の連結決算(19年4~9月累計、IFRS:国際会計基準)は、決算期を3月から12月に変更したため9ヵ月間の経過期間に当たる中で、営業利益が1.18億円となり、前年同期間(18年4~9月)の0.25億円から4.7倍に大きく拡大した。

 また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は12.8億円の赤字となったが、前年同期間の21.8億円の赤字に比べて大きく改善した。売上高に相当する営業収益は363.1億円となり、前年同期間に比べて0.7%の微減となった。

 同社は、大きな経済成長が期待できるアジア地域での戦略的な事業拡大を進める中で、前連結会計年度にJトラスト銀行インドネシアにおいて不良債権を一括して処理した。このため、2019年3月は、営業損益として326億円の赤字を計上し、親会社の所有者に帰属する当期利益も361億円の赤字を計上した。しかし、ここへきて営業利益は黒字が大幅に拡大し、当期利益などは赤字が大きく改善することになった。

■インドネシアとカンボジアで各々大型連結事業がスタート

 アジア地域での戦略展開は、大型案件としては、18年10月にインドネシアで自動車、農機具等のファイナンス事業を行うOLYMPINDO(オリンピンド)社を連結化し、PT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCE(PT・Jトラスト・オリンピンド・マルチファイナンス)として事業を開始。これに続き、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZ Royal Bank(Cambodia)Ltd.を連結化し、JTrust Royal BankLtd.(Jトラストロイヤル銀行)として事業を開始している。

 今期・19年12月期の連結業績見通し(決算期変更にともない9ヵ月間の経過期間)は、前回発表予想を継続し、営業収益は643.97億円、営業利益は6100万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11.18億円の赤字を想定する。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る