エフティグループは戻り試す、20年3月期上振れ余地、自己株式取得発表

 エフティグループ<2763>(JQ)は、法人向け環境関連商品・情報通信機器販売などを展開し、M&Aも積極活用してストック型収益・業容拡大戦略を推進している。20年3月期営業増益予想である。第2四半期累計は2桁営業増益だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。また11月20日に自己株式取得を発表した。株価は上値を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■法人向け環境関連商品が主力、ストック型収益積み上げを推進

 法人事業(中小企業・個人事業主向けOA機器・ビジネスホン・UTM・セキュリティ関連機器などの情報通信サービス、LED照明・空調設備・節水装置などの環境省エネサービス、光回線などのインターネットサービス、電力小売の電力サービス)と、コンシューマ事業(一般消費者向け光回線インターネットサービス、太陽光発電設備・蓄電池等の環境省エネサービス)を展開している。

 19年3月期のセグメント別(連結調整前)売上高構成比は法人事業77%、コンシューマ事業23%、営業利益構成比は法人事業79%、コンシューマ事業21%だった。

 ストックサービス(小売電力サービス、クラウド型サーバ、ネットセキュリティ系サービス、データ復旧サービスなど)を重点分野と位置付け、M&A・アライアンスも積極活用してストック収益拡大を推進している。

 19年6月にはデジタルデータトラブルの問題解決を専門に行うデジタルデータソリューションと業務提携した。また19年11月にはデジタルデータソリューションと共同(業務委託契約)で、ドローン保険制度を運営するエアロエントリーに対してドローンデータ復旧サービスの提供を開始した。

 一方では選択と集中の観点から、19年4月東北地区で展開していたドコモショップ運営から撤退、19年6月タイ・フィリピン・インドネシアの連結子会社4社の株式の80%をレカム<3323>に譲渡した。またレカムが実施する第三者割当増資を引き受けた。

■20年3月期2Q累計2桁営業増益で通期上振れ余地

 20年3月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が19年3月期(IFRS実績)比5.1%増の480億円、営業利益が4.1%増の60億円、親会社所有者帰属純利益が1.2%減の38億円としている。配当予想は1円増配の59円(第2四半期末26円、期末33円)である。

 第2四半期累計は売上収益が前年同期比2.0%増の229億83百万円、営業利益が17.6%増の36億14百万円、親会社所有者帰属純利益が4.5%増の22億26百万円だった。利益は第2四半期累計として過去最高だった。

 売上高は電力サービス「エフエネでんき」や蓄電池が大幅伸長し、海外事業およびドコモショップ事業譲渡の影響を吸収した。営業利益はストック収益の伸長、継続的なコスト削減、海外事業譲渡益の計上で2桁増益だった。法人事業は11.7%増収で8.0%増益、コンシューマ事業は14.3%減収だが5.4%増益だった。ストックサービス売上は56.7%増の87億14百万円だった。

 通期もストックサービス売上の大幅伸長(41.4%増の180億円の計画)で営業増益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上収益が47.9%、営業利益が60.2%と高水準だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 なお11月20日に自己株式取得(上限40万株・8億円、取得期間19年11月25日~20年5月31日)を発表した。

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月20日の終値は1353円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS117円63銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の59円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS439円93銭で算出)は約3.1倍、時価総額は約450億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る