ミロク情報サービスは上値試す、20年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

日インタビュ新聞ロゴ

 ミロク情報サービス<9928>(東1)は財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。20年3月期増収増益予想である。さらに上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は急伸して18年の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで、中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。

 19年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が63%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入、サプライ・オフィス用品など継続的な役務の対価)が32%、その他が6%だった。

 収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。

■クラウドサービスやFinTech分野を強化

 中期経営目標値は、M&Aの業績貢献を織り込まず、21年3月期売上高380億円、経常利益80億円、経常利益率21.1%、ROE22.8%としている。

 基本方針として、新規顧客開拓のためのソリューションビジネスの強化、会計事務所・地域金融機関とのパートナーシップの強化、中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」事業の推進、開発体制の抜本改革と積極的な技術者採用・人材育成、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上と働き方改革による従業員満足度の向上を掲げている。

■20年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比8.6%増の340億円、営業利益が20.0%増の62億円、経常利益が22.6%増の62億円、純利益が8.3%増の40億40百万円としている。配当は4円増配の38円(期末一括)である。

 新規顧客獲得などで増収増益予想である。開発体制の抜本改革、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上など、グループ全体の経営効率向上や経営基盤強化にも取り組む。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比21.2%増の188億25百万円、営業利益が30.7%増の38億76百万円、経常利益が30.2%増の39億28百万円、純利益が34.1%増の26億07百万円だった。計画を上回る大幅増収増益だった。19年10月の消費税率引き上げや20年1月のWindows7サポート終了に伴って、ハードウェアのリプレース需要が想定を大きく上回り、キッティングや設置などのサービスに係る売上も好調に推移した。

 なお品目別の売上は、システム導入契約売上高が26.6%増収(ハードウェアが52.8%増収、ソフトウェアが15.4%増収、ユースウェアが38.8%増収)で、サービス収入が9.4%増収(会計事務所向けTVSが13.1%増収、ソフト使用料収入が19.8%増収、企業向けソフトウェア運用支援サービスが6.7%増収、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が1.9%増収、サプライ・オフィス用品が9.5%増収)だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が55.4%、営業利益が62.5%と高水準である。第3四半期以降のハードウェア需要増や製品開発に伴う売上原価の増加、人材強化や働き方改革に伴う費用増加などを勘案して通期予想を据え置いたが、上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して18年の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月4日の終値は3505円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS130円86銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS584円51銭で算出)は約6.0倍、時価総額は約1220億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る