【新規上場(IPO)銘柄】レオクラン今期増配を予定、底値に接近する場面は買い

株式市場 IPO 鐘

 レオクラン<7681>(東2)は、10月2日に東京証券取引所市場第二部に上場した。同社グループは、同社及び連結子会社5社で構成されている。新築・移転時の医療機関や福祉施設等に対して、企画段階から開設に至るまでの総合的なコンサルティングを行い、医療機器・医療設備・医療情報システムを販売する「メディカルトータルソリューション事業」、医療機関で撮影されたCTやMRI等の医用画像を遠隔で診断し、情報提供するサービスを行う「遠隔画像診断サービス事業」及び介護・福祉施設向け給食サービスを行う「給食事業」を運営している。


 メディカルトータルソリューション事業では、医療機関、予防・検診施設及び介護・福祉施設等に対して、医療機器の選定等のコンサルティングをベースに、医療機器、医療設備及び医療情報システムの受注販売、付帯する保守・メンテナンスサービス並びに建築内装工事及び医療設備工事の請負も行っていることから、特に病院の新築・移転、再編・統合におけるコンサルティング及び医療機器等の販売を主要業務とした「狩猟型」商社を標榜している。

 遠隔画像診断サービス事業では、依頼元の医療機関で撮影されたCTやMRIなどの医用画像を、放射線診断専門医により遠隔で診断し、情報を提供している。このサービスは、現在の医療環境全般の課題となっている医師不足や、医師の偏在に対応し、情報通信技術を活用することで医療機関を直接訪問せずとも、診断行為や医師同士の意見交換を可能にし、医療機関内で行われる画像診断と遜色ない環境で診断を実施することができる。

 給食事業では、介護・福祉施設等への給食サービスを行っている。同サービスは、「クックチル(ブランド名)」という新調理システムにより、セントラルキッチン(給食センター)にて、料理を一括集中生産し、 チルド状態にした料理を、サテライト厨房(現地厨房)と連携して、日々の食事を提供する「おかず販売」と、施設から委託を受け、委託元の厨房に職員を配置し、日々の食事を提供する「業務受託サービス」を行っている。

 11月14日大引け後に9月期本決算を発表した。前2019年9月期業績実績は、売上高361億900万円(前の期比40.4%増)、営業利益11億9000万円(同84.3%増)、経常利益11億8400万円(同81.5%増)、純利益7億3200万円(同2.1倍)に着地し、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。

 今20年9月期業績予想は、売上高260億4400万円(前期比27.9%減)、営業利益6億6500万円(同44.1%減)、経常利益6億6400万円(同43.9%減)、純利益4億4600万円(同39.1%減)を見込む。年間配当は期末一括45円(同5円増)を予定している。

 株価は、10月10日につけた上場来高値5630円から11月15日安値3050円まで調整を挟んで12月1日高値3700円と上昇している。今20年9月期は、メディカルトータルソリューション事業で、前19年9月期に比べて新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売案件が少ないことが響き、減収減益を見込むが、増配を予定している。25日移動平均線を上値にもみ合っているが、3000円どころが底値として意識された感はあり、3000円に接近する場面があれば、買いを考えるところか。(株式評論家・信濃川)

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