【編集長の視点】BASEは反落も成長可能性が高評価され下値に直近IPO株買いが継続

BASE<4477>(東マ)は、前日5日に19円安の1905円と3日ぶりに反落して引けた。東証マザーズ指数が続落したことから、今年12月2日に上場来高値1967円まで買い進まれていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中の安値1829円からは76円引き戻して引けており、下値には直近IPO(新規株式公開)株買いが続いた。同社株は、今年10月25日にIPOされたばかりで、今年11月14日にIPO後の初決算として発表した今2019年12月期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)決算は、赤字着地となったが、Eコマースプラットフォームやオンライン決済サービスの主力事業が時流に乗り成長可能性が高いと評価されている。株式需給的にも東証マザーズ指数への組み入れでリプレース需要が発生していることが、好需給思惑を高め買い手掛かりとなっている。

■BASE事業のネットショップ開設実績は2年連続でナンバーワン

 同社は、Eコマースプラットフォーム「BASE」を提供するBASE事業と、オンライン決済サービス「PAY.JP」、ID決済サービス「PAY ID」を提供するPAY事業を主力事業としている。BASE事業は、これまで作成時間、運営費用、WEB技術などのさまざまな理由でネットショップの開始が困難だったユーザーに対して簡単にデザイン性の高いネットショップを無料で作れるネットショップ作成サービスと店舗の商品を購入できるショッピングアプリを提供しており、ネットショップの開設実績は、今年8月時点で80万ショップを突破、ネットショップ開設実績は、2年連続でナンバーワンとなった。

 PAY事業は、今年10月の消費税導入とともに開始されたポイント還元のキャッシュレス決済も追い風とる好事業環境下、「申請に時間がかかる」、「高い」、「使いにくい」などの複雑なネックをシンプルな料金体系、簡単な組込み、強固なセキュリティレベルにより解消し、スタートアップ企業やベンチャー企業を中心に登録加盟店数は、幅広く堅調に推移している。

 一方、今12月期3Q業績は、売り上げが27億3000万円、営業利益が2億8000万円の赤字、経常利益が2億7900万円の赤字、純利益が2億8300万円の赤字となった。3Q決算が初作成となるため前年同期比較はなく、継続的な事業の成長のための人材採用やテレビCMなどのプロモーションを積極的に実施したことが要因となった。今12月期通期業績も、IPO時予想に変更はなく、売り上げは36億7000万円(前期比56.0%増)、営業利益は5億4000万円の赤字(前期は7億9100万円の赤字)、経常利益は5億5900万円の赤字(同7億9800万円の赤字)、純利益は5億6000万円の赤字(同8億5400万円の赤字)と見込んでいる。

■東証マザーズ指数組み入れの買い需要期待も加わり最高値抜けから上値チャレンジ

 株価は、公開価格1300円でIPOされ1210円で初値をつけ1169円安値まで下ぶれたが、キャッシュレス決済関連株人気を高めて底上げ、島根銀行<7150>(東1)との業務提携や新たにPayPal決済の提供を開始したことなどが続いて直近IPO株人気を高めて上場来高値1967円まで約7割高し、高値固めを続けている。東証マザーズ指数組み入れに伴うリプレースの買い需要もあり上場来高値抜けから一段の上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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