【アナリスト水田雅展の銘柄分析】リミックスポイント14年10月高値に接近、収益改善基調を評価して上値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 リミックスポイント<3825>(東マ)は、新規参入した電力売買事業や中古車売買事業が好調に推移している。株価は戻り歩調の展開だ。28日には1384円まで上伸して14年10月高値1440円に接近している。収益改善基調を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開だろう。

 エネルギー関連事業(エネルギー管理システム開発・販売、省エネルギー化支援コンサルティング、省エネルギー関連設備販売、電力売買)、および自動車関連事業(中古車査定システム開発・販売、中古車売買に関するコンサルティング、中古車売買)を展開している。

 エネルギー関連事業に関しては、13年12月に商業用施設のエネルギー消費量削減に貢献できるエネルギー管理システム「ENeSYS(エネシス)」を開発した。

 そして14年9月に特定電気事業者(PPS事業者)の日本ロジテック協同組合と省電力事業に関する業務提携契約を締結し、14年10月には発電事業者および電力卸売事業者から電力を調達して電力売買事業に参入した。当面は日本ロジテック協同組合に対して供給し、他のPPS事業者に対する供給も順次拡大を目指す方針だ。16年の電力小売完全自由化によって国内16兆円程度の電力小売市場が発生すると予想されているため事業拡大が期待される。

 なお15年2月には、日本ロジテック協同組合の関係会社であるJLエナジー(JLE)社とエネルギー管理システム開発受託契約を締結した。日本ロジテック協同組合は組合員のための業務用・産業用電力の共同購買を行い、JLE社は電力小売事業を展開している。

 自動車関連事業は14年12月に「IES中古車買い取りサービス」を開始した。07年販売開始した当社の中古車査定システム「IES」導入企業などのネットワークを活用して事業拡大を推進する方針だ。

 前期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(2月12日に売上高と利益を増額修正)は、売上高が39億17百万円(前々期は1億31百万円)、営業利益が2億14百万円(同1億37百万円の赤字)、経常利益が2億06百万円(同1億55百万円の赤字)、純利益が1億87百万円(同1億50百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計(4月~12月)は前年同期比44倍増収で、各利益とも黒字化した。省エネルギー化支援コンサルティングおよび省エネルギー関連設備の販売拡大、中古車査定システム「IES」の大口取引先における新規採用、そして新規事業のPPS事業者向け電力売買と中古車売買も寄与した。なお第3四半期累計時点で継続企業の前提に関する疑義注記の記載を解消した。

 通期ベースでも収益は改善基調だろう。なおJLE社からのシステム開発受託については15年3月期業績予想に織り込み済みとしている。配当予想(3月16日に復配を発表)は期末に1株あたり3円の配当を実施する。

 今期(16年3月期)も、新規事業のPPS事業者向け電力売買事業や自動車関連事業者向け中古車売買事業が寄与して、収益改善基調が期待される。

 なお14年9月発行の第三者割当による第6回新株予約権の行使は15年2月に完了している。また3月23日に東日本銀行から50百万円の借り入れ、4月22日に城北信用金庫との2億円の当座貸越契約締結を発表した。電力売買事業および中古車売買事業において想定以上の需要を受けているため、電力および中古車の仕入資金に充当する。

 株価の動きを見ると戻り歩調の展開だ。4月24日に2月戻り高値1249円を突破して1335円まで上伸した。さらに28日には1384円まで上伸して14年10月高値1440円に接近している。目先的には過熱感を強めているが、収益改善基調を評価する流れに変化はないだろう。

 4月28日の終値1350円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS27円89銭で算出)は48倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は0.2%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS29円36銭で算出)は46倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が25%程度まで拡大して目先的な過熱感を強めているが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。収益改善基調を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開だろう。

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