インフォコムの電子書籍配信事業は今期も好調、株価の一段高も

■前期譲渡により減少したSYSCOM社の売上高をヘルスケアとGRANDITがカバーし、増収増益を見込む

 インフォコム<4348>(JQS)の電子書籍配信事業は今期も好調で、大幅増益が見込まれることから株価の一段高も予想される。

 今期16年3月期連結業績予想は、売上高430億円(前期比6.7%増)、営業利益42億円(同16.5%増)、経常利益42億円(同13.7%増)、純利益26億円(同19.7%増)と増収増益で最高益更新を見込む。

 同社の事業は、ITサービス・セグメントのヘルスケア事業(病院向け、製薬企業向け、健康系)、エンタープライズ事業(繊維メーカ向け、総合商社向け、医薬品卸向け、携帯電話会社向け)、サービスビジネス事業(ERP GRANDIT、緊急連絡/安否確認、文書管理、その他)とネットビジネス・セグメントのネットビジネス事業(電子書籍、eコマース、コンテンツ配信)の4事業に分けられる。中でも、ヘルスケア事業、GRANDIT事業、ネットビジネス事業を重点事業として注力している。

 今期のITサービス・セグメント業績予想は、売上高255億円(同2.1%増)、営業利益25億円(同4.6%増)と増収増益を見込む。
 売上高については、前期譲渡により減少したSYSCOM社の売上高をヘルスケアとGRANDITがカバーし増収を見込む。ヘルスケア事業については、病院向け事業の回復を見込んでいる。GRANDITは、パートナーの拡充効果と企業向けパッケージ製品の販売増を見込む。
 営業利益は、増収効果により、増益を見込む。

 ネットビジネス・セグメントの業績については、売上高175億円(同14.2%増)、営業利益17億円(同41.7%増)と2ケタ増収大幅増益を見込んでいる。
 売上高に関しては、電子書籍配信サービスが、前期の123億円から150億円と22.0%増を見込んでいる。
 営業利益については、電子書籍配信サービスの事業拡大及びソーシャルゲーム事業の撤退により、大幅増益を見込む。

 投資計画については、今期21億70百万円を予定している。内訳は、設備投資20億30百万円。内容としては、電子書籍配信サービスの強化、電子書籍運用基盤の強化、ヘルスケア放射線システム、ヘルスケア新システム、GRANDIT新機能開発、緊急連絡/安否確認システムの強化として投資される。また、研究開発用として1億40百万円を計画している。

 株主還元策として、配当は前期比1.5円増配の20円を予定している。尚、株主優待も実施している。

 新規事業への取組としては、ファンド総額20億円の「Infocom Fund」により、新領域での事業化を目指している。また、日本初のヘルスケアITイノベーションプログラム「デジタルヘルスコネクト」を設立し、企業家とヘルスケア業界の出会いの場を設けるビジネスプランコンテストを開催する。更にIoT(Internet of Things)事業へ参入するためにEverySenseに出資している。この他に、アスリート向け支援サービスとして、コンディション管理、スケジュール管理、練習ノートの3機能を持つ「アスリートストーリーズ」をスタートしている。

 既存事業が好調に推移している一方で、新規事業への投資も積極的に行っている。株主還元策としては、増配を継続すると共に、株主優待を実施している。

 現在の株価は、最高値圏で推移ししているが、28日の引け値1053円の株価指標は、PER(予想)12.52倍、PBR(実績)1.51倍と割高感はないことから好業績を支援材料とし、株価の一段高が予想される。

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