【編集長の視点】ギフティは3Q好決算で業績上ぶれ期待を高め直近IPO株買いが再燃し急反発

 ギフティ<4449>(東マ)は、前日25日に56円高の1650円と変わらずを含めて4営業日ぶりに急反発して引けた。同社株は、今年9月20日に新規株式公開(IPO)されており、IPO後の初決算として11月14日に今2019年12月期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)業績を発表しており、3Q業績が高成長し、IPO時予想の12月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し業績上ぶれ期待を高めて直近IPO株買いが再燃した。12月23日には、NEC<6701>(東1)グループのNECソリューションイノベータなどと沖縄県南城市で複数の交通機関を一つの交通サービスにする観光型MaaSの実証実験に参加すると発表し、同社が、各移動手段の乗車チケット・施設入場券の電子化、電子スタンプによる情報管理、利用者移動データの生成を担当することも、買い材料視されている。

■流通総額は2.35倍、法人向けサービスの利用企業も2.09倍と高成長

 3Q業績は、売り上げ13億2300万円(前年同期比98.1%増)、営業利益4億3200万円(同2.80倍)、経常利益4億2000万円(同2.76倍)、純利益2億8400万円(同2.75倍)と大幅増収増益となった。同社は、飲食店・小売店舗などで商品やサービスをオンラインで購入し送付する電子チケットの「eギフト」のプラットフォーム事業を展開しており、3Qの流通総額が43億円(同2.35倍)、個人向けのgifteeサービスの会員数が133万人(同29.5%増)、法人向けgiftee for Businessサービスの利用企業が533社(同2.09倍)、小売店向けのeGift Systemサービスの発行企業が74社(同72.1%増)と高成長を続けたことが寄与した。

 この3Q業績の利益進捗率は、今12月期通期業績に対して79~80%となり目安の75%を上回ったが、12月期通期業績はIPO時予想を据え置いた。売り上げ17億7400万円(前期比58.2%増)、営業利益5億3800万円(同88.4%増)、経常利益5億2800万円(同86.6%増)、純利益3億5800万円(同80.7%増)と見込んでいる。このため国内大手証券は、先行投資がすでに収益化するステージに入ったとして今期営業利益を6億1000万円と上方修正し来期、再来期も続伸と観測、投資判断を「2(アウトパフォーム)」、目標株価を2400円として新規にカバーを開始した。業績上ぶれ期待を一段と高めている。

■公開価格割れのダブル底から再発進して上場来高値奪回し上値チャレンジ

 株価は、1500円を公開価格にIPOされ1880円で初値をつけて上場来高値2100円まで買い進まれたあと、新興市場の人気離散が響いて上場来安値1392円まで調整、今期3Q好決算の発表で公開価格割れは売られ過ぎとして底上げ転換、国内大手証券の強気レーティングも続いて2000円台にタッチし、足元では公開価格を試す1530円まで再調整したあと1600円台出没を続けている。10月の上場来安値1392円と11月の1410円でダブル底を確認するチャート形状となっており、初値割れは下げ過ぎとして再発進し戻り高値の2021円抜けから上場来高値を奪回し上値チャレンジが加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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