マーケットエンタープライズは調整一巡、20年6月期大幅増収増益予想

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進している。20年6月期大幅増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は11月の上場来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。なお2月14日に第1四半期決算発表を予定している。

■ネット型リユース事業を展開

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を主力としている。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして30カテゴリーの自社WEB買取サイト運営、コンタクトセンターでの事前査定、リユースセンターでの買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

 なお日興アイ・アールが選定する2019年度全上場企業ホームページ充実度ランキングにおいて、総合ランキング優秀サイトおよび新興市場ランキング最優秀サイトに初選出された。

■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進

 中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。

 水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設(19年6月期末時点で10ヶ所)を推進している。

 垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入した。

 新サービスによる事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立、17年3月宅配レンタルサービスを開始、18年1月民泊物件サイト運営のスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結、19年1月アウトレットジャパンからアウトレットモール情報メディア「OUTLET JAPAN」事業を譲り受けた。

 また19年2月プロトコーポレーション<4298>からリユース総合情報サイト運営の「おいくら事業」を承継、19年8月ENECHANGEから格安SIM・スマホ情報サイト「SIMCHANGE」運営事業を譲り受け、19年10月農業総合研究所<3541>と農業生産者支援で業務提携した。

 事業領域拡大に伴って20年6月期から事業セグメントを、ネット型リユース事業(インターネットに特化したリユース品の買取・販売に関するサービス)、メディア事業(消費者に対して有益な情報をインターネットメディアで提供するサービス)、モバイル通信事業(子会社MEモバイルの通信サービス)とした。

■20年6月期大幅増収増益予想

 20年6月期の連結業績予想は、売上高が19年6月期比18.0%増の100億円、営業利益が32.7%増の6億円、経常利益が32.2%増の6億02百万円、純利益が32.5%増の2億70百万円としている。既存事業の拡大、新規事業の収益化で大幅増収増益予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比50.1%増の25億98百万円、営業利益が7.8倍の1億71百万円、経常利益が8.0倍の1億70百万円、純利益が92百万円の黒字(前年同期は1百万円の赤字)だった。

 ネット型リユース事業は、家電・楽器・音響機材といった既存商材カテゴリーの取引量が堅調に推移し、農機具・建機・医療機器の新カテゴリー分野が大幅伸長した。メディア事業はモバイル通信関連が好調だった。モバイル通信事業はメディア事業とのシナジー効果で契約回線数が増加した。

 第1四半期の進捗率は売上高26.0%、営業利益28.5%と順調である。通期も収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は11月の上場来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。1月9日の終値は2984円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円85銭で算出)は約58倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS221円09銭で算出)は約13倍、時価総額は約156億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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