【編集長の視点】アルテリアは上場来高値更新、2Q好決算を見直しウラウド・5G関連株人気が上乗せ

 アルテリア・ネットワークス<4423>(東1)は、前日9日に51円高の1821円と急反発して引け、取引時間中には1822円まで買い進まれ今年1月7日につけた上場来高値1820円を2日ぶりに更新した。昨年11月14日に発表した今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計業績が、2ケタ増益で着地したことを見直し、今3月期通期業績の2期ぶりの過去最高更新予想の確度が高まったとして割安株買いが増勢となった。マンション居住者用のインターネット接続サービス「Mcloud(エムクラウド)」の新規採用が続き、ローカル5G(第5世代移動通信システム)のサービス化を検討していることも、関連株人気を高めている。

■「ARTERIA光」が好調に推移しマンションインターネットサービスは6年連続シェア1位

 同社の今期2Q累計業績は、売り上げ254億5900万円(前年同期比7.1%増)、営業利益42億3700万円(同15.0%増)、税引前利益40億2100万円(同16.4%増)、純利益26億1400万円(同12.3%増)と増益転換して着地した。インターネッサービス「ARTERIA光」では、大阪エリアなど提供エリアを拡大して受注が順調に推移し、ネットワークサービスでは、専用線の受注が拡大するともに1契約当たりの売り上げ(ARPU)も増加、マンションインターネットサービスでは、6年連続で全戸一括型マンションISPシェア1位を獲得するなど売り上げが続伸、利益は、前期発生の株式上場関連費用の一巡と独占禁止法違反関連のコンプライアンス費用などが交錯し2ケタの増益となった。 

 この2Q累計業績は、今2020年3月期通期予想業績に対して50%超の利益進捗率を示しており、3月通期業績は期初予想に変更はなく、純利益は、2期ぶりに過去最高を更新する。具体的には売り上げ507億7800万円(前期比3.2%増)、営業利益83億7200万円(同13.8%増)、税引前利益79億1200万円(同15.0%増)、純利益51億1900万円(同12.0%増)と見込んでいる。また今期配当は、年間51.2円(前期は半期ベースで26.22円)を予定している。

 なお昨年12月には東京建物<8804>(東1)が分譲した「Brillia上野Garden」に子会社の「Mcloud」が採用され、今後の取り組みとしてローカル5Gサービスの検討を開始したことも業績上ぶれ期待を高めている。

■公開価格水準から48%高もPER17倍台、配当利回り2.8%となお出遅れ

 株価は、今期第1四半期の好決算発表を受けて、2018年12月の新規株式公開時の公開価格1250円に並ぶ水準から底上げを開始、相次ぐ新サービスの提供でクラウド関連人気を高めて右肩上がりとなり、「Mcloud」採用で上場来高値まで上値を伸ばし、48%高となった。ウウラウド関連株としてPERは17倍台、配当利回りは2.81%と相対的に出遅れており、一段の上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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