【株式評論家の視点】プレナスは通期業績予想を据え置き、配当利回り3%

株式評論家の視点

 プレナス<9945>(東1)は、プレナスの社名の由来である「豊かな・満足のいく」暮らしの実現を目指し、事業の柱である持ち帰り弁当の店「Hotto Motto(ほっともっと)」や定食レストラン「やよい軒」を通して日本全国、そして世界の人びとにもっと多くの満足を届けている。

 「ほっともっと事業」では、持ち帰り弁当のトップブランドとして、おいしいごはんにこだわり、厳選した高品質の国産米を使用し、店内調理によるできたての弁当を提供することを基本に、商品の品質向上やボリュームアップなど、付加価値の高い商品によって顧客満足度の向上を目指している。

 「やよい軒事業」では、素材や手作り感にこだわった定食メニューを手頃な価格で提供することを基本に、揚げた鶏もも肉に濃厚な香味ダレをたっぷりかけた『やみつき油淋鶏定食』の販売や『すき焼き定食牛肉増量キャンペーン』を実施するなど、同社グループ工場で製造した商品を活かした定食を提供することで、顧客ニーズに対応している。

 「MKレストラン事業」では、豊富な具材と個性豊かなスープが選べるしゃぶしゃぶに、季節限定の『もつ鍋用味噌スープ』や特選具材を取り揃えるなど、商品力の強化に努めているほか、「タイフェスティバル」のキャンペーンの実施や、九州エリアのメニューのリニューアルを行うなど、売上の拡大や店舗収益の向上に努めている。

 また、「海外事業」では、マーケットに応じた売上向上施策の実行、食材の現地化による店舗原価低減、出店の推進等により、事業の黒字化を目指している。「その他」として、宮島醤油フレーバー(株)では、調味料・加工食品のOEM(相手先ブランド名製造)を主に行い、既存顧客への新商品提案を積極的に行うと共に、新規顧客獲得のための営業活動を実施。加えて、同社グループ店舗で使用する調味料等の開発も行い、商品数の拡大にも注力している。

 1月14日大引け後に発表した今2020年2月期第3四半期業績実績は、売上高1127億8600万円(前年同期比2.4%減)、営業損益1億6700万円の黒字(同1億4700万円の赤字)、経常利益6億1500万円(同27.4%増)、最終利益9億4900万円の赤字(同4億1600万円の赤字)に着地。なお、最終利益が赤字となるのは、現存損失10億69百万円を主とした特別損失14億23百万円を計上したことによる。

 今20年2月期業績予想は、売上高1533億1000万円(前期比0.4%減)、営業損益6億5000万円の黒字(同5億100万円の赤字)、経常利益10億7000万円(同7.5倍)、最終損益8億3000万円の赤字(同29億2600万円の赤字)を見込む。年間配当は60円(第2四半期30円、期末30円)継続を予定している。株主優待として、毎年2月末日現在の株主名簿に1年以上継続して記載、または記録された株数に応じて「株主お買物優待券」(「ほっともっと」「やよい軒」「MKレストラン」各店で商品の購入もしくは食事の際、来店した方一人につき、2枚まで利用できる)を贈呈している。

 株価は、2019年8月13日につけた昨年来の安値1666円から同12月13日高値1972円と上昇。その後、モミ合っている。6-8月期営業損益は黒字転換したが、9-11月期営業損益は、赤字幅縮小にとどまり、通期業績予想を据え置いたことから、上値追いに慎重となっている。目先ミニ・デッドクロスを示現しているが、配当利回りは3%あり、どこが下値になるか見極めるところだろう。(株式評論家・信濃川)

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