エスプールは上値試す、20年11月期大幅増収増益・連続増配予想

 エスプール<2471>(東1)はロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。19年11月期は計画超の大幅増収増益だった。20年11月期も大幅増収増益予想、そして連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業

 ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。

 19年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業が29%、人材ソリューション事業が71%、営業利益構成比(連結調整前)はビジネスソリューション事業が56%、人材ソリューション事業が44%だった。

 障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は19年11月期末時点で18農園を展開し、利用企業数が259社、管理区画数が2961区画、就業障がい者数が1480名となった。

 なお営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。また20年11月期から配当の基本方針を連結配当性向20%に変更し、株主還元を強化する。

■20年11月期大幅増収増益・連続増配予想

 19年11月期の連結業績は、売上高が18年11月期比18.4%増の175億22百万円、営業利益が63.1%増の16億04百万円、経常利益が61.4%増の16億26百万円、純利益が74.7%増の10億82百万円だった。配当は1円増配(19年10月1日付株式5分割遡及換算後)の2円(期末一括、普通配当1円40銭+創立20周年記念配当60銭)である。

 計画超の大幅増収増益だった。障がい者雇用支援サービスで相対的に利益率の高い設備販売が計画を上回り、ロジスティクスアウトソーシングサービスの収益改善も計画を上回るペースで進展した。

 ビジネスソリューション事業は、売上高が12.5%増の50億74百万円(障がい者雇用支援サービス39%増収、ロジスティクスアウトソーシングサービス25%減収、採用支援サービス44%増収など)で、営業利益が76.5%増の15億14百万円だった。

 障がい者雇用支援サービスは農園開設、設備販売が順調だった。ロジスティクスアウトソーシングサービスは、配送費値上げに対応して通販発送代行サービスに係る配送費を立替金に変更した影響で大幅減収だが、粗利額に影響は無く、センター稼働率上昇や低収益案件見直しなどで収益改善した。採用支援サービスも増収効果で損益分岐点を安定的に上回った。

 人材ソリューション事業は、売上高が20.5%増の125億16百万円(コールセンター業務24%増収、店頭販売支援11%増収)で、営業利益が17.8%増の11億83百万円だった。グループ型派遣が順調に拡大した。

 20年11月期連結業績予想は、売上高が19年11月期比17.8%増の206億36百万円、営業利益が24.7%増の20億円、経常利益が22.3%増の19億88百万円、純利益が19.0%増の12億88百万円としている。過去最高を連続更新予想である。配当予想は1円30銭増配の3円30銭(期末一括)で、連続増配となる。

 なおセグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が23.2%増の62億14百万円(障がい者雇用支援サービスが28%増収、ロジスティクスアウトソーシングサービスが9%増収、採用支援サービスが37%増収など)で営業利益が19.4%増の18億08百万円、人材ソリューション事業の売上高が15.9%増の145億円(コールセンター業務が14%増収、店頭販売支援が20%増収など)で営業利益が19.1%増の14億10百万円としている。

 障がい者雇用支援サービスでは、農園新設4~6施設(既存モデル屋外型3~4施設、第3四半期以降に東京23区中心に展開する新モデル屋内型1~2施設)、設備販売1026区画(既存モデル屋外型738区画、新モデル屋内型288区画)を計画している。採用支援サービス「OMUSUBI」は分社化してエスプールリンクが事業展開する。

■株価は上値試す

 株価(19年10月1日付で株式5分割)は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月24日の終値は850円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS16円31銭で算出)は約52倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円30銭で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS38円42銭で算出)は約22倍、時価総額は約672億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…
  2. ■「売られ過ぎシグナル」を発信の自己株式取得株は浮上余地をアピール  マーケットの現在の投資家心理…
  3. ■銀行株投資の選択肢  多くの銀行株の中から投資対象を選ぶ際には、PBR1倍割れやPER1ケタ台、…
  4. ■銀行と半導体、どちらが市場をリードする?  今週は、週明けから「タカさんチーム」の出番が続きそう…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る