【どう見るこの相場】2月相場はハイテク・景気敏感株などの3Q業績動向がポイント

どう見るこの相場

■2月相場は1月相場に続いて平幕銘柄のトーナメント戦なら小型材料株に挑戦権

 今週の当コラムは、門外漢にも拘わらずスポーツの話から始めることをお許しいただきたい。昨26日に千秋楽を迎えた大相撲の初場所である。大荒れに荒れた初場所であった。2横綱は早くから連敗して休場し、カド番の大関は、負け越して大関陥落となり、優勝争いの先頭を走ったのは平幕力士2人で、結局、優勝したのはあろうことか幕尻の徳勝龍であった。下剋上、大番狂わせなどといわれたが、まるで横綱、大関などの番付には一切お構えなしのトーナメント戦のようで、今後も毎場所、毎場所このような本命なき展開になれば、どんな平幕力士にもチャンスのあるスリリングな一発勝負の醍醐味を満喫でき、それこそ土俵上にザブトンが舞うほど観客を沸かせることになるだろう。

■リスクとリターンが背中合わせの株式投資の面白さを再認識

 さて本題の「相場見通し」に移ろう。1月相場は、この大相撲初場所の大番狂わせに瓜二つだった。まずトランプ大統領が、イランの革命防衛隊司令官の殺害を命令して中東の地政学リスクが高まり、資源株の急伸とともに防衛関連株や金価格関連株にストップ高する銘柄が続出して幕が開けた。さらにコロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大につれ防護服のアゼアス<3161>(東2)川本産業<3604>(東2)、赤外線サーモグラフィの日本アビオニクス<6946>(東2)などがストップ高を続け、除菌剤の大幸薬品<4574>(東1)やエアーシャワーの日本エアテック<6291>(東1)などが昨年来高値を更新した。主力株の方向感が定まらず、トータルとして強気になり切れないなか、こうした平幕銘柄の小型材料株の乱舞は、リスクとリターンが背中合わせの株式投資の面白さを再認識させ、ある面、投資家心理をポジティブにリードしたことは間違いない。

■新型肺炎の感染拡大がいつピークアウトするか?

 2月相場はどうか?一つのカタリスト(変動誘発材料)としては、世界的なパンデミック(感染爆発)懸念のある新型肺炎の感染拡大が、いつピークアウトするかがポイントとなる。しかし、本筋のカタリストは、今週から本格スタートするハイテク株や景気敏感株などの主力株の3月期決算会社の第3四半期(3Q)の業績動向だろう。3Q決算が、業績回復を示唆したり、業績の上方修正につながるなど市場コンセンサスを上回れば、主力株が息を吹き返し相場をリードすることになる。ただ、この先陣を切った日本電産<6594>(東1)が、業績を再下方修正して株価が急落してしまった。このことは、仮に主力株相場があるとしても、業績好調組を買い、不調組を売る選別物色にとどまることを示唆しているとすれば、それこそまた平幕銘柄に活躍場面が巡ってくることも想定される。

 ではその場合、どのような平幕銘柄が大番狂わせを演じるか?大相撲の初場所と同様にどのようか平幕銘柄にもチャンスはあるはずで、全方位の銘柄ウオッチが欠かせない。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る