JSP15年3月期は原燃料価格、電力料金、輸送費の上昇等の影響で増収ながら減益

■16年3月期は国内、海外共に増収増益を見込むが、PBRは0.98倍と株価は割安

 JSP<7942>(東1)の15年3月期連結業績は、第4四半期間においては、原燃料価格が低下したものの、全体では、原燃料価格、電力料金、輸送費の上昇等の影響で、増収ながら減益となった。

 15年3月期連結業績は、売上高1169億23百万円(14年3月期比4.3%増)、営業利益56億67百万円(同4.1%減)、経常利益60億44百万円(同7.1%減)、純利益40億39百万円(同8.3%減)であった。

 同社の事業は、押出事業、ビーズ事業、その他の3つに分かれている。

 押出事業は、産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」は、消費税増税後の反動による需要減の影響もあり売上は減少した。
 ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は、自動車部品包装材等の用途拡大により売上は増加した。
 自動車部品や家電製品の通い函などに用いられる発泡ポリプロピレンシート「Pボード」は、自動車・家電市場の低迷により売上は減少した。
 食品用包材の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」は、引き続き堅調な需要に支えられ、新製品の拡販、新規需要先の取り込みもあり売上は増加した。
 広告宣伝用ディスプレイ材、折箱に用いられる発泡ポリスチレンボード「ミラボード」は、広告宣伝の多様化(デジタル化等)も進み、売上は減少した。
 建築・土木関連の発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」は、建築分野では、消費税増税後の需要の反動減の影響を受け、売上は減少した。また、土木分野では、全国的な需要増もあり売上は増加した。
 これらの結果、売上高は399億15百万円(同0.8%増)、営業利益13億48百万円(同30.0%減)となった。

 ビーズ事業では、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、自動車の新規部品の採用拡大や家電包材緩衝材の需要拡大により全体としては堅調に推移した。
 国内では、軽自動車や住宅設備向け保温緩衝材の採用拡大はあったが、自動車、住宅設備、IT家電向け需要が、消費税増税後の在庫調整もあり、全体としての売上は減少した。一方、原燃料価格や動力コストの上昇もあり収益は低下した。
 北米では、寒波の影響による一時的な自動車販売台数の落ち込みの影響により現地通貨での売上は減少したが、円安の影響により売上は増加した。
 南米では、自動車販売台数の落ち込みにより売上は減少した。
 欧州では、景気回復を背景に自動車部品の需要増により売上は増加した。
 中国を始めとするアジア諸国では、自動車及び家電市場が高い成長を維持したことや新規需要の拡大により、売上は増加した。
 発泡性ポリスチレン「スチロダイア」は、建材・土木分野及び家電分野の需要は堅調に推移したが、主用途の水産・農業分野が天候不順等の影響により、売上は減少したが、機能性グレードの拡販、製品価格是正、各種コストの低減により収益は改善した。
 ユニットバス天井材に使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」は、住宅着工数減の影響もあり、売上は減少した。これらの結果、ビーズ事業の売上高は703億40百万円(同4.9%増)、営業利益48億54百万円(同6.8%増)となった。

 その他については、一般包材は、国内では消費税増税後の需要の反動減があったが、円安を背景とした自動車・液晶・光学製品・一般工業部品の梱包材需要は堅調に推移した。また、ベッド芯材等の新分野への拡販、中国向け車載部品・スマートフォン用成形シートの増販、精密関連企業の国内生産回帰に伴う需要の増加もあり、売上は増加した。中国では液晶テレビ向けの新規梱包材の採用により売上は増加した。これらの結果、売上高は66億67百万円(同21.7%増)、営業利益59百万円(14年3月期△32百万円)と増収増益で黒字転換となった。

 今期16年3月期については、同社では、国内事業は、原燃料価格が軟化することが想定され、また、2020年省エネルギー基準適合義務化に向けた建築・住宅向け高断熱材の需要の増加、デジタル家電及び周辺部品を中心とした包装材・緩衝材の需要の増加や自動車部品の採用拡大も予想されることから収益は改善に向かうと予測している。
 一方海外事業は、特に中国におけるモータリゼーションが沿岸部から内陸部にも広がり自動車の生産・販売台数の増加に加え、デジタル家電市場も高い成長を維持することが予想されることから、発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」の需要は大きく増加すると想定している。また、北米・欧州でも好調な経済を背景に、自動車の生産・販売台数の増加が見込まれ、海外事業全体としての業績は好調に推移するものと考えている。
 なお、15年4月からスタートした新中期経営計画の策定を契機に、同社及び国内連結子会社の有形固定資産の減価償却方法を、主として旧定率法及び主として定率法から定額法へ変更することにより、16年3月期の減価償却費は、従来の償却方法によった場合に比べて約6億60百万円減少する見込み。その結果、今期16年3月期連結業績予想は、売上高1190億円(前期比1.8%増)、営業利益70億円(前期比23.5%増)、経常利益71億円(同17.5%増)、純利益48億円(同18.8%増)と増収増益を見込む。

 5月1日の株価2142円の株価指標は、予想PER13.3倍、PBR(実績)0.98倍となっている。今期好業績が見込めるうえに、PBRが1倍を下回っていることから割安といえる。

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