ゼリア新薬工業は調整一巡、20年3月期大幅増益予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ゼリア新薬工業<4559>(東1)は、消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。20年3月期大幅増益予想である。第3四半期累計の進捗率はやや低水準だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を展開

 消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。収益面では薬価改定、ライセンス収入・ロイヤリティ収入、研究開発費、広告宣伝費などの影響を受けやすい。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は医療用医薬品事業51%、コンシューマーヘルスケア事業48%、その他0%、営業利益構成比(連結調整前)は医療用医薬品事業22%、コンシューマーヘルスケア事業75%、その他3%だった。地域別売上比率は日本71%、欧州21%、その他8%だった。

 医療用医薬品事業は、潰瘍性大腸炎治療剤アサコールを主力として、H2受容体拮抗剤アシノン、亜鉛含有胃潰瘍治療剤プロマック、機能性ディスペプシア治療剤アコファイドなども展開している。子会社ティロッツ社は、アストラゼネカ社から炎症性腸疾患(IBD)治療剤Entocortの米国を除く全世界における権利を取得し、国内でゼンタコートカプセルを販売している。

 19年10月には、グループ会社のスイスTillottsがイタリアA.Menariniの中国子会社と、潰瘍性大腸炎治療剤ASACOL製品群の中国における流通・マーケティング契約を締結した。19年11月には、機能性ディスペプシア治療剤アコファイドについてMeiji Seika ファルマと、タイおよびインドネシアにおける独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結した。

 2月3日には、協和キリンと行っているアサコールの販売提携について、20年3月末日をもって終了すると発表した。2月6日には、スペインのFAES社と、アコファイドのラテンアメリカにおける独占的開発権および販売権に関する契約締結を発表した。

 コンシューマーヘルスケア事業は、ヘパリーゼ群、コンドロイチン群、ウィズワン群を主力として、日本で初めて月経前症候群の効能を取得した西洋ハーブ・ダイレクトOTC医薬品プレフェミン、連結子会社イオナ インターナショナルの「イオナ」ブランド化粧品なども、全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどに販売している。

 20年1月にはヘパリーゼ群の主原料である肝臓加水分解物の安定調達とコンシューマーヘルスケア事業拡大を目的として、日水製薬<4550>から日水製薬医薬品販売の全株式を譲り受けて子会社化(20年4月予定)すると発表した。

■消化器分野を最重点領域として新薬開発を推進

 消化器分野を最重点領域と位置付けて新薬開発を推進している。新薬パイプラインの状況(20年2月4日現在)は以下の通りである。

 鉄欠乏性貧血を適応症とするZ-213(ビフォーファーマ社から導入)は、19年3月鉄欠乏性貧血治療剤フェインジェクト静注500mgとして国内製造販売承認を取得した。

 子宮頸癌を適応症とするZ-100(自社品)は第3相(日本を含むアジア共同治験)段階である。

 高カリウム血症を適応症とするZG-801(ビフォーファーマ社から導入)は第2相段階である。米国では15年12月販売開始し、欧州では17年7月EMA(欧州医薬品庁)から承認取得している。

 海外では、潰瘍性大腸炎を適応症とするZ-206(自社グループ品)を中国で承認申請中である。機能性ディスペプシアを適応症とするZ-338(自社品)は欧州で第3相段階である。

■20年3月期大幅増益予想

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比5.1%増の650億円、営業利益が33.8%増の50億円、経常利益が51.7%増の50億円、純利益が10.0%増の38億円としている。配当予想は19年3月期と同額の34円(第2四半期末17円、期末17円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.9%減の463億03百万円、営業利益が10.5%増の33億82百万円、経常利益が9.5%増の30億86百万円、純利益が19.3%減の23億39百万円だった。売上が伸び悩んだが、研究開発費の効率的運用で営業・経常増益だった。純利益は特別利益(受取和解金)の剥落が影響した。

 医療用医薬品は1.7%減収だった。アサコールが海外で順調だったが、Entocortの海外一部地域における在庫調整が影響した。コンシューマーヘルスケアは2.1%減収だった。子会社のサプリメント事業が低迷した。

 通期は医療用医薬品で海外市場におけるアサコールやEntocortの伸長、コンシューマーヘルスケアでヘパリーゼ群の拡大を見込み、大幅増益予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高71.2%、営業利益67.6%とやや低水準だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待は年2回、9月末と3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末および3月末現在の株主に対して実施している。保有株式数に応じて自社グループ商品を贈呈する。

■株価は調整一巡

 なお19年11月1日に自己株式取得(上限100万株・23億円、取得期間19年11月5日~20年5月12日)を発表している。

 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月13日の終値は2023円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS81円34銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想34円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1235円09銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約1075億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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