【編集長の視点】リックソフトは3Qの高利益進捗率業績を見直し業績上ぶれ期待を高め反発

 リックソフト<4429>(東マ)は、前日17日に前場安値の6540円から切り返し40円高の6840円と3営業日ぶりに反発して引けた。今年1月14日に発表した今2020年2月期第3四半期(2019年3月~11月期、3Q)決算が、大きく続伸して今2月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し業績上ぶれ期待の買い物が再燃した。同社が、昨年2月に新規株式公開(IPO)された時も、3Qの好業績から2月通期業績を開示する前の昨年4月に前期業績を上方修正しており、連想を強めている。

■前期も3Q好決算から業績を上方修正し再現期待を強める

 同社の今期3Q業績は、売り上げ23億7600万円(前年同期比34.8%増)、営業利益3億5200万円(同44.0%増)、経常利益3億4700万円(同30.5%増)、純利益2億1100万円(同18.9%増)で着地し、今2月期通期予想業績に対する営業利益の進捗率は86%、経常利益の進捗率は85%と目安の75%を上回った。アジャイル(俊敏)型のプロジェクト管理ツールで業界標準となっているアトラシアン社(豪州)の「Jira Cloud」のライセンス販売、導入支援が、国内向けの続伸に加え海外顧客数が1000社を突破するなど順調に推移し、昨年7月には同ツールの対応アプリの自社開発の「WBS Gantt-Chart for Jira Cloud」のベータ版をリリース、昨年11月末現在でダウンロード数が1600を超えたことなどが要因となった。

 今2月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ30億円(前期比20.9%増)、営業利益4億600万円(同9.4%増)、経常利益4億800万円(同5.8%増)、純利益2億8300万円(同11.0%増)と見込んでいる。これだけでも連続の過去最高業績更新となるが、前2019年2月期業績もIPO時に開示した前期3Q業績の高利益進捗率から昨年4月に上方修正しており、再現期待を高めている。とくに昨年12月には「WBS Gantt-Chart for Jira Cloud」のクラウド版(正式版)の販売を開始しており、寄与動向が注目されている。

■株式分割勘案で最高値調整幅の3分の2戻し水準から全値戻しに弾み

 株価は、公開価格4000円でIPOされ9000円で初値をつけ上場来高値1万8650円まで買い進まれる高人気となり、株式分割(1株を2株に分割、基準日2019年8月31日)の権利落ちで上場来安値3765円まで調整したが、今期3Qの好決算でストップ高するなど分割権利落ち後高値7260円まで買い戻された。株式分割を勘案すると最高値から最安値への調整幅の3分の2戻し目前までリバウンドしており、いよいよ全値戻しの9325円(株式分割勘案)に弾みをつけ、上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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