【編集長の視点】エディアは続落も大人気ゲームの海外展開などをテコに逆行高期待が底流

 エディア<3935>(東マ)は、前日26日に20円安の611円と3営業日続落して引けた。新型肺炎の感染拡大で世界同時株安が続いていることから、同社株にもリスクオフの売り物が続いた。ただ、この日の前場安値595円は下ヒゲでつけ、大引けでは600円台をキープしており下値抵抗力も示した。マーケットで、新型肺炎感染を避ける外出自粛で巣ごもり消費が拡大するとしてゲーム関連株人気が高まりつつあるほか、同社が、今年2月17日から開始した大人気のオンラインゲーム『アイドルうぉーず~100人のディーバと夢見がちな僕~』のスピンオフ版の海外展開を見直し、業績寄与を期待して下値買いが交錯した。その業績も、今2020年2月期第3四半期(2019年3月~11月期、3Q)の売り上げが、前年同期より34.6%増と大きく伸びたこともフォローしている。

――――海外展開で新収益基盤を構築し新事業の漫画動画事業も上乗せ――――

 『アイドルうぉーず』は、2015年7月からサービスを開始し最大で25人対25人の定時開催方式のリアルタイムチームバトルが可能なオンラインゲームで、2019年6月に累計登録者が160万人を突破するなどブレークした。この海外展開の第1弾としてスピンオフ版のアドベンチャーゲーム『Kirakira stars idol project AI』をSushi softがSteamで販売を開始したもので、同社にとって新たな収益基盤の構築につながる。

 同社は現在、事業構造改革の過渡期にあり、運営ゲームタイトルの選択と集中を進め、『鬼滅の刃』が大ヒットし関連グッズ販売も好調に推移したほか、新規事業の漫画動画事業を開始し漫画動画配信チャンネル「ミルコミ」を運営、すでにコミック・電子書籍売り上げがゲーム売り上げを上回っており、さらに今年1月には139タイトルのゲームソフトの知的財産権を取得した。

 一方、今年1月14日に発表した今期3Q業績は、売り上げが18億5100万円(前年同期比34.6%増)と大きく伸び、利益は構造改革負担で赤字継続となるが、コスト削減の進展で営業損失1億4800万円(前年同期は4億800万円の営業損失)、経常損失1億6400万円(同4億3200万円の経常損失)、純損失1億7500万円(同8億8100万円の純損失)と改善を示した。なお今期通期業績の予想に関しては、スマートフォンゲーム業界を取り巻く環境の変化が激しく、合理的な算定できないとして開示していない。

――――再三ストップ高の急騰特性を再発揮してまず昨年来高値調整幅の半値戻し――――

 株価は、昨年9月の漫画動画事業開始でストップ高し、同10月の今期第2四半期(2019年3月~8月期)の赤字縮小着地では3日連続のストップ高、さらに同12月の『鬼滅の刃』の「Yahoo!検索大賞2019」受賞でもストップ高するなどの急騰特性を発揮して昨年来高値968円まで買い進まれた。同高値後は、25日移動平均線を出没する高値調整を続けてきたが、新型肺炎の感染拡大による全般相場急落とともに下値を探ってきた。25日線から11%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、急騰特性の再発揮期待を高め、まず昨年来高値から足元の安値への調整幅の半値戻しの781円が上値目標となろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る