エイジアは地合い悪の売り一巡、20年3月期大幅増益予想

 エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。データ分析ソリューションと連携するメッセージ配信最適化ソリューションを推進している。20年3月期大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪の影響で昨年来高値圏から急反落したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、コンサルティング、システム受託開発、EC事業(18年9月ベビー服ECサイト運営事業を譲り受け)も展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比はアプリケーション事業75%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%、EC事業6%である。収益面では下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。

 メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。4000社以上の導入実績を誇り、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心とするe-CRMアプリケーションシリーズである。

 なお19年11月にはインタートレード<3747>の子会社で暗号資産関連事業を展開するデジタルアセットマーケッツに出資した。20年1月にはクラウドセキュリティの国際規格ISO/IEC27017の認証を取得した。

■メッセージ配信最適化ソリューションを推進

 中期経営計画では目標値として20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。製品開発戦略は、データ分析ソリューションと連携するメッセージ配信最適化ソリューションとしている。

■20年3月期大幅増益予想

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比14.5%増の19億50百万円、営業利益が20.0%増の4億46百万円、経常利益が20.1%増の4億45百万円、純利益が2.3倍の3億円としている。配当は3円増配の23円(期末一括)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.3%増の13億69百万円、営業利益が29.2%増の3億22百万円、経常利益が34.8%増の3億30百万円、純利益が41.7%増の2億24百万円だった。アプリケーション事業(12.3%増収、うちクラウドサービスが17.0%増収)が牽引して売上高、営業利益は過去最高だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高70.2%、営業利益72.2%と順調である。通期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の2単元以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は地合い悪の売り一巡

 株価は地合い悪の影響で昨年来高値圏から急反落したが、売り一巡して出直りを期待したい。2月28日の終値は1296円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS75円79銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想23円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS342円95銭で算出)は約3.8倍、時価総額は約57億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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