【特集】逆張り銘柄の逆張り、積極的な設備投資計画を発表した銘柄の数々

特集

 当特集は、大岩の主力株より小石関連株に注目することとした。逆張り銘柄の逆張りである。新柄コロナウイルスの大嵐が吹き募る今年1月この方、積極的な設備投資計画を発表した銘柄の数々である。3月10日に発表された今年2月の工作機械受注は、内外の設備投資意欲が減退して前年同月比30.1%減と2月として10年ぶりの落ち込みとなったが、そうした時期を設備投資の好機としていわば逆張りした銘柄だ。もちろん大それた設備投資額ではなく小石的なスケールにとどまるが、個別銘柄ベースでみれば業績の高成長や事業構造を革新するファクターを内包しているようでもある。投資採算的にもPER評価はともかく、PBR1倍を大きく下回る割り負け銘柄に限定してマークすれば、急かず焦らずリスクを最小化しつつ谷底からの底上げが期待できそうだ。

■新工場建設に業績の上方修正、増配などもオンして底上げをサポート

 逆張り銘柄の逆張りでまず注目したいのが、日東工業<6651>(東1)である。同社は、今年2月に約200億円を投資して新工場の建設ともう一つの新工場の取得(13億7500万円)を発表したが、昨年11月にはタイ子会社の新工場建設も発表した。今3月期業績も、昨年10月期に上方修正し配当も増配しており、足元のPBR8倍台、PBR0.7倍の昨年来安値からの早期出直りをサポートしそうだ。

 このほか防災車両工場用地を17億円で取得した帝国繊維<3302>(東1)、新研究棟建設に着工した大阪有機化学工業<4187>(東1)、154億9200万円でカナダの事業拠点を買収した共英製鋼<5440>(東1)、約100億円を投資して新事業所を建設する日阪製作所<6247>(東1)も、PBRは1倍を割り、PERも1ケタ評価にとどまっており、同じく昨年来安値から底上げが有望となる。

■時価総額が軽量の新興市場5銘柄にも谷底から浮揚力

 新興市場株でも、逆張り銘柄の逆張り候補株が少なくない。粉体塗料生産工場を8億円で増設するナトコ<4627>(JQS)、事務所用地の固定資産を取得したFCホールディングス<6542>(JQS)、4億円を投資して新工場を開設した不二精機<6400>(JQS)、約10億円を投資した新工場が完成したシグマ光機<7713>(JQS)、昨年5月に26億円で取得した用地に28億5000万円で事業所を開設する札幌臨床検査センター<9776>(JQS)などである。最も時価総額が大きい札幌臨床でも67億円にとどまるなど軽量化株であり、PBR1倍台割れ、低PER水準の谷底からの浮揚力を強めよう。

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