アスカネット:「AIプレート」量産体制に目処、さらに低価格へ挑戦

写真=AIプレートにより空中結像した画像

■ガラス素材、今夏から秋に量産体制に入りか

アスカネット<2438>(東マ)は、各方面から開発が待たれる「空中結像」を可能にするプレート(AIプレート)の製造・販売をめざし、量産化を急いでいるが、このたび同プレート開発の現状を明らかにした。

発表によると、ガラス素材のAIプレートは、ほぼ予定通りに進んでおり、現在β版の製作に取り掛かっており今夏から秋に量産体制に入る見込みだ。樹脂素材プレートは、試作品の製造手法とは全く異なる新しい方法にトライしており、結像品質と生産コストなどを確認したうえで、今秋から冬にかけての量産開始を目標に取り組む。

同社は、AIプレート製造についての基本技術はすでに確立しており、既にAIプレートの試作販売を行っている。一昨年10月の展示会CEATEC 以降、複数の協力会社と量産技術の本格的な研究が進み、製造はファブレスで委託製造を基本として進めている。

ガラス素材と樹脂素材では一長一短があり並行して量産技術の研究を重ねてきた。ガラス素材はコスト・量産性が相対的に劣るが、結像品質は優れ、逆に樹脂素材はコスト・量産性が優れる反面、結像品質が相対的に劣るという特性がある。

量産面では、同社は第一段階の量産は、リスク等を考慮し、委託先現有の設備、ラインの最大限活用を前提とした量産をめざし、複数の生産方法を進めている。その過程で優位な方法が明確になった時点で、専用ラインの立ち上げなど、規模の大きい量産体制へ段階的に移行する方針だ。

■樹脂プレート:素材から開発、ハードルも高い技術的手法で対応

量産技術の現状と今後の方向性ついて功野常務取締役は、「AI プレートは特殊な構造をしていることから、既存の技術をそのまま活用できず、実際トライを開始するとさまざまな技術課題が発生するので、逐一解決しながら進めています。ガラス素材のプレートはほぼ計画どおりに進んでおり、複数の技術の中で、量産技術がほぼ確立したものもあります。順調なら今年の夏から秋にかけて量産できる見込みです。樹脂素材プレートは試作品の製造手法とは全く異なる新しい方法にトライしています。この手法は多量・低コスト生産が可能です。素材から開発し生産技術的にもハードルも高い手法で、想定以上の時間を要しています。まだ、技術課題が完全に解決したとは言えませんが、目処は立っており、解決次第、α版の開発に取り掛かります。平成28年4月期は、導入までの期間が比較的短い小ロット案件を中心に確実に実績を積み、大きなロットの案件につなげていきたい。」と話している。

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