ASIAN STARは底値圏、20年12月期黒字化予想

 ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(JQ)は、国内と中国で不動産関連事業を展開している。20年12月期黒字化予想である。収益改善を期待したい。株価は地合い悪も影響して12年以来の安値圏だが、ほぼ底値圏だろう。

■国内と中国で不動産事業を展開

 国内と中国で不動産関連事業を展開している。国内は投資用マンション「グリフィンシリーズ」企画・販売事業を一旦縮小し、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへ事業構造を転換した。中国ではベルグラビアグループを買収して不動産関連事業(サービスアパートメント運営管理事業、ワンルームマンション賃貸事業)を展開している。

 収益は不動産販売事業の案件によって変動しやすい特性がある。なお上海徳威企業および徳威国際(上海徳威企業の100%子会社)の2社と資本提携している。

 18年11月投資事業を行う子会社ASIAN STAR INVESTMENTSを設立、19年6月ASIAN STAR INVESTMENTSが民泊施設運営代行のオールステイへの投資を実行した。

 19年1月には中国のサービスアパートメント運営管理事業で、中国上海市の賃貸マンション(117室)運営管理委託契約を受託した。19年7月には、中国大手不動産企業の上海地産グループで賃貸マンション開発・管理を行う上海地産賃貸住宅建設と、業務提携意向協定を締結した。

 19年10月には、中国で医療関連事業を展開する遠東宏信医院集団および経営コンサルティングの上海マイツと戦略的提携した。日本における医療分野での共同投資を検討する。なお19年12月には、田中紘一京大名誉教授が遠東宏信医療科技発展有限公司の首席専門家に就任した。

■20年12月期黒字予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比23.2%増の25億円、営業利益が36百万円の黒字(19年12月期は72百万円の赤字)、経常利益が35百万円の黒字(同85百万円の赤字)、純利益が26百万円の黒字(同1億97百万円の赤字)としている。

 増収効果で黒字予想である。リゾート地(和歌山県南紀白浜など)における戸建の開発販売を開始して不動産販売事業の底上げを図る。さらに不動産管理・賃貸の新規案件獲得、不動産仲介件数の増加、新規事業を推進する方針だ。収益改善を期待したい。

■22年12月期売上高50億円、営業利益3億円目標

 20年2月策定の中期経営計画では、目標値に22年12月期売上高50億円、営業利益3億円、EBITDA4億円を掲げた。

 重点施策として、事業戦略では不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、投資戦略では企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進する。

 また財務戦略では資本市場を活用した資金調達の検討、財務レバレッジを利用した不動産投資の実施、配当戦略では利益水準に応じた安定的配当の実施、トータル・シェアホルダー・リターン(TSR)等の指標の検討を実施する。

■株価は底値圏

 株価は地合い悪も影響して12年以来の安値圏だが、ほぼ底値圏だろう。3月16日の終値は67円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円46銭で算出)は約46倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS100円59銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約12億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る