【編集長の視点】綿半HDは2月度の月次動向をテコに売られ過ぎ訂正買いが続き4連騰

綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日25日に72円高の1447円と高値引けし、4営業日続伸して今年3月13日に突っ込んだ昨年来安値1193円からの底上げを加速させた。今年3月10日に発表した2020年2月度の売り上げが、プラス転換したことをテコに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり消費が高まると評価され、今2020年3月期業績も連続過去最高更新と予想されていることも見直され、売られ過ぎ訂正買いが増勢となった。明27日には3月期配当の権利付き最終日となるため、連続増配の権利取りの買い物も上乗せとなっている。

■暖冬で春物商品が好調に推移し衛生用品などに買い溜め特需

 今年2月の月次動向は、既存店の売り上げが前年同月比8.2%増と昨年9月以来、5カ月ぶりにプラス転換し、全店売り上げも同様に7.7%増と昨年11月以来、3カ月ぶりにプラス転換した。市川大門店と中野店を閉店したが、暖冬の影響で園芸用品などの春物商品とインテリア、テレビなどの新生活商品が好調に推移し、月終盤には新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衛生用品、食料品、日用品の買い溜め特需が上乗せ、客数が、既存店では5カ月ぶり、全店では3カ月ぶりにそれぞれ前年同月を上回り、客単価も上昇したことなどが要因となった。期末の3月度の月次動向も、2018年12月に子会社化しネット通販大手アベルネット(現・綿半ドットコム)の継続寄与などから巣ごもり消費拡大が期待されている。

 一方、今2020年3月期業績は、売り上げ1142億4500万円(前期比7.3%増)、営業利益26億7300万円(同13.0%増)、経常利益28億1100万円(同12.2%増)、純利益16億4600万円(同1.7%増)と予想され、5期連続で過去最高を更新する。綿半ドットコムのほか、積極的にM&Aした丸三三原商店、サイエンスホームなども寄与するうえに、チラシの削減や商品点数を売れ筋商品に絞り込むEDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略を継続推進することなどが要因となる。今期配当は、年間34円(前期実績33円)と5期連続の増配を予定している。

■PER8倍台、PBR0.9倍水準から年初来高値奪回を目指す

 株価は、今期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)の好決算を好感して年初来高値2006円まで買い進まれたが、新型コロナウイルス拡大による世界同時株安の荒波に巻き込まれて昨年来安値1193円まで急落を余儀された。同安値からは、2月度の月次動向で巣ごもり消費関連株人気を高め250円幅の底上げに転じた。投資採算的にもPERは8倍台、PBRは0.91倍、配当利回りは2.34%となお売られ過ぎを示唆し、テクニカル的にも25日移動平均線から6%超もマイナスかい離しているだけに、底上げを加速し1株純資産1588円クリアで弾みをつけ年初来高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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