【株式評論家の視点】AMBITIONは15年6月期21.7%増収、営業利益37.2%増益、上場3カ月経過

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

AMBITION<3300>(東マ)は、直近IPOとして押し目買い優位に上値を伸ばすと期待されることから注目してみたい。

同社は、プロパティマネジメント事業、賃貸仲介事業、インベスト事業を運営している。プロパティマネジメント事業では顧客(不動産所有者)から家賃保証付きで借上げた物件を一般消費者に賃貸する事業(サブリース)、不動産物件保有者の入居者募集代理業務や入退室時の原状回復業務等を行っている。賃貸仲介力を生かし、高入居率を維持することで、より高い保証家賃の設定を実現するとともに、独立系の「サブリース業者」として、自社で賃貸仲介事業部を保有していない「投資用不動産販売会社」に対して営業活動を行っている。賃貸仲介事業では、首都圏に13店舗の営業店舗を展開し、自社物件に加え、他社が管理する物件を紹介し、賃貸物件の仲介・斡旋および付随する引っ越し業者の斡旋を行っている。インベスト事業では、「築年数が古い」「入居者がいない」などの理由で不動産価値が適正に評価されていない住居用不動産を取得し、適正な評価価値へ戻すための「バリューアップ(内装工事や賃貸付け)」を行った上で、適正価格にて販売する事業を行っている。

足元の業績は、2015年6月期第1四半期売上高が15億2535万円、営業利益が400万円、経常損益が400万円の赤字、最終損益はトントンに着地。計画を上回り順調に推移。プロパティマネジメント事業及びインベスト事業において計画比を上回る一方、賃貸仲介事業が計画比を下回った。プロパティマネジメント事業では、管理戸数は4,140戸(計画は3,978件)。物件管理戸数及び計画入居戸数を上回って推移。賃貸仲介事業では、成約率が計画を下回ったほか接客数も下回ったが、自社成約率は63%台を維持。インベスト事業では、7件の物件売却を行い、10件の物件を購入した。

通期業績予想は、売上高64億3600万円(前期比21.7%増)、営業利益2億5000万円(同37.2%増)、経常利益2億4100万円(同31.1%増)、純利益1億3700万円(同24.1%増)を見込む。年間配当は期末一括20円(同1円増)を予定している。同社が扱う物件は、東京23区で広さが約25平方メートルのワンルームタイプが中心で敷金や礼金を不要とする賃料プランによる集客手法に強みがあり、9割を超える入居率を確保。マンション所有者からの物件調達も増やして成長につなげるとしている。

株価は、本年9月19日にマザーズ市場に新規上場。同日高値1955円と買われた後、10月17日に上場来の安値1063円まで調整を挟んで11月26日に上場来の高値2850円と上昇。東証と日証金が同社株について同28日売買分から信用取引に関する臨時措置を実施すると発表。委託保証金率の引き上げを嫌気され短期的に12月4日安値1804円まで下げて切り返す動き。25日移動平均線がサポートラインとして強く意識された感があり、押し目買い優位に上値を伸ばすと期待されよう。(株式評論家・信濃川)

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