【編集長の視点】ナルミヤは反落も2月度月次概況を手掛かりに売られ過ぎ修正買いが交錯し下げ渋る

 ナルミヤ・インターナショナル<9275>(東1)は、前日26日に15円安の575円と3日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、新型コロナウイルスの感染拡大で4日ぶりに882円安と急反落したことから、今年3月23日に突っ込んだ上場来安値483円から底上げしている同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下落トレンドから横ばいに変わった5日移動平均線を前に下げ渋る動きもみせており、下値には引き続き底値買いが交錯した。今年3月3日に発表した2020年2月度の月次売上概況で、2020年2月期通期の全店・既存店とも前期比プラスとなったことを手掛かりに、目下集計中の2020年2月期業績や次期2021年2月期業績への期待を高め、さらにテクニカル的にも2018年9月の再上場時の上場来高値1539円から「半値八掛け二割引き」水準まで大きく調整、大底打ちとして意識されている。

■SC向けブランドとeコマースが揃って2ケタ増

 2月度の月次売上は、既存店が前年同月比2.7%減となったものの、全店では1.8%増と2018年9月の再上場以来、連続して前年同月を上回るプラスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたが、ブランド別ではショッピングセンター(SC)で展開の「petit main(プティマイン)」が2ケタ増となり、販売チャンネル別ではSC、eコマースが同じく2ケタ増となったことが要因となった。この結果、2020年2月期通期の売上概況は、既存店が前期比1.9%増、全店が7.8%増と連続のプラスとなった。

 一方、目下集計中で4月13日に発表予定の2020年2月期通期業績は、売り上げ330億700万円、営業利益17億1200万円、経常利益16億4600万円、純利益10億700万円と予想されている。2019年3月にeコマースを強化するためハートフィールの全株式を取得して子会社化したため連結決算に移行したため前期比較はないが、前期の単独業績に対しては売り上げは11.1%増、営業利益は5.3%増、経常利益は9.3%の続伸となる。昨年4月にSCとeコマースの顧客IDを統合したことで新規顧客数が増加し、販売チャンネルでも百貨店からSCへのシフトを進めていることが寄与する。このため次期2021年2月期業績も続伸が観測されており、4月13日の決算発表時の業績ガイダンスが注目されている。

■「半値八掛け二割引き」の大底水準からまず25日線奪回に再発進

 株価は、東証第1部指定替え、記念増配、株主優待制度新設などの好材料が続いて買い進まれた年初の昨年来高値1443円から新型コロナウイルスの感染拡大による世界同時株安に巻き込まれて上場来安値483円まで大幅調整した。同安値は、昨年9月の再上場時につけた上場来高値1539円から大底打ちを示唆する「半値八掛け二割引き」水準になっているとして底値買いを誘発し100円超幅の底上げ転換した。なおPERは5倍台、25日移動平均線からは28%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆しており、横ばい転換した5日線を強力支持基盤にまず上場来高値から上場来安値への調整幅の3分の1戻しとなる25日線の800円台奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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