JFEシステムズは売られ過ぎ感、20年3月期2桁増益予想

 JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。20年3月期2桁増益予想である。21年3月期も収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で急落したが売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。なお4月23日に20年3月期決算発表を予定している。

■JFEグループの情報システム会社

 JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。

 19年3月期の事業別売上高は鉄鋼187億円、一般顧客152億円、基盤サービス46億円、子会社(JFEコムサービス)41億円だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。なお19年4月ITコンサルティング会社のIAFCを子会社化した。

 中期経営計画(19年3月期~21年3月期)の目標数値には、21年3月期売上高460億円以上、経常利益32億円以上、純利益20億円以上、配当性向(目安)30%を掲げている。経常利益と純利益は19年3月期に2期前倒しで目標を達成した。

 重点戦略は、高収益事業への構造転換で製鉄所システムリフレッシュ本格化に向けた体制確保、AIやIoTなど新技術を活用したソリューション事業の拡大、クラウドやセキュリティ関連など基盤サービス事業の拡大、基幹事業の強化で自動車向け体制充実や金融向け構造転換推進など製造・金融分野の顧客基盤強化、プロダクト事業(食品、電子帳票)強化によるニッチトップ確立としている。

 なお、女性の活躍推進の取り組みが優れた企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」や、働き易い職場環境整備・意識啓発に取り組む企業を東京都が登録する「心のバリアフリーサポート企業」など、働き方・企業風土に関する各種認証を取得している。また20年3月には健康経営優良法人2020大規模法人部門に3年連続で選定された。

■20年3月期2桁増益予想

 20年3月期の連結業績予想(10月28日に利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比12.7%増の480億円、営業利益が15.2%増の40億円、経常利益が16.0%増の40億円、純利益が12.0%増の26億円としている。配当予想(10月28日に期末10円上方修正)は15円増配の100円(期末一括)としている。7期連続増配予想である。

 事業別売上高計画は、鉄鋼が製鉄所システム刷新関連の増加で18億円増の205億円、一般顧客がソリューションの増加で10億円増の162億円、基盤サービスがJFEスチール・グループ向けの拡大で11億円増の57億円、子会社(JFEコムサービス、IAFC)が15億円増の56億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.4%増の343億11百万円、営業利益が30.4%増の33億03百万円、経常利益が31.0%増の33億01百万円、純利益が26.4%増の21億38百万円だった。JFEスチール向けシステム開発の増加、ソリューション事業の拡大などで大幅増益だった。

 20年3月期は6期連続で過去最高更新予想である。需要が高水準に推移し、利益面ではプロダクト事業など高採算事業の構成比上昇、鉄鋼部門における原価削減が寄与する。21年3月期も収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で急落したが、売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。4月3日の終値は2633円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS331円10銭で算出)は約8倍、前期推定配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1939円21銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約207億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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