エフティグループは売り一巡、21年3月期収益拡大期待

 エフティグループ<2763>(JQ)は、法人向け環境関連商品・情報通信機器販売などを展開し、ストック型収益・業容拡大戦略を推進している。20年3月期営業増益予想である。新型コロナウイルス感染拡大による経済収縮の一時的影響が懸念されるが、21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■法人向け環境関連商品が主力、ストック型収益積み上げを推進

 法人事業(中小企業・個人事業主向けOA機器・ビジネスホン・UTM・セキュリティ関連機器などの情報通信サービス、LED照明・空調設備・節水装置などの環境省エネサービス、光回線などのインターネットサービス、電力小売の電力サービス)と、コンシューマ事業(一般消費者向け光回線インターネットサービス、太陽光発電設備・蓄電池等の環境省エネサービス)を展開している。

 19年3月期のセグメント別(連結調整前)売上高構成比は法人事業77%、コンシューマ事業23%、営業利益構成比は法人事業79%、コンシューマ事業21%だった。

 ストックサービス(小売電力サービス、クラウド型サーバ、ネットセキュリティ系サービス、データ復旧サービスなど)を重点分野と位置付け、M&A・アライアンスも積極活用してストック収益拡大を推進している。

 19年6月デジタルデータトラブルの問題解決を専門に行うデジタルデータソリューションと業務提携、19年11月デジタルデータソリューションと共同(業務委託契約)でドローン保険制度を運営するエアロエントリーに対してドローンデータ復旧サービスの提供を開始、19年12月シリコンパワージャパンに対してデータ復旧サービスの提供を開始した。

 一方では選択と集中の観点から、19年4月東北地区で展開していたドコモショップ運営から撤退、19年6月タイ・フィリピン・インドネシアの連結子会社4社の株式の80%をレカム<3323>に譲渡した。またレカムが実施する第三者割当増資を引き受けた。

■20年3月期営業増益予想

 20年3月期連結業績(IFRS)予想は、売上高が480億円、営業利益が60億円、親会社所有者帰属当期利益が38億円としている。19年3月期IFRS実績値比5.1%増収、4.1%営業増益、1.2%最終減益となる。配当予想は1円増配の59円(第2四半期末26円、期末33円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.6%増の342億71百万円、営業利益が8.0%増の49億08百万円、親会社所有者帰属純利益が7.0%減の29億73百万円だった。

 売上高は電力サービス「エフエネでんき」や蓄電池などが伸長し、LED照明や空調設備の減少、海外事業およびドコモショップ事業譲渡の影響を吸収した。営業利益はストック収益の伸長、継続的なコスト削減、事業譲渡益の計上が寄与した。法人事業は8.9%増収で1.0%減益、コンシューマ事業は14.5%減収だが3.1%増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が81.8%と順調だった。通期もストックサービス売上の大幅伸長(41.4%増の180億円の計画)で営業増益予想としている。新型コロナウイルス感染拡大による経済収縮の一時的影響が懸念されるが、21年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 19年11月20日発表の自己株式取得(20年3月19日に取得枠拡大して上限60万株・8億円、取得期間19年11月25日~20年5月31日)については、20年3月31日時点で累計取得株式数38万6800株となった。

 株価は地合い悪化の影響で安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。4月6日の終値は1089円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS118円04銭で算出)は約9倍、前期推定配当利回り(会社予想59円で算出)は約5.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS439円93銭で算出)は約2.5倍、時価総額は約362億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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