日本エム・ディ・エムは売上高、営業・経常利益を下方修正するが、20年3月期は04年5月期の過去最高益を上回って着地

■米国で、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大に伴う人工関節置換術の延期・中止措置により大きな影響を受ける

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、30日引け後、20年3月期の売上高、営業利益、経常利益を下方修正する一方で、最終利益を上方修正した。それでも、20年3月期連結業績は、増収増益で04年5月期の過去最高益を上回って着地した。

 売上高、営業・経常利益を下方修正した要因は、売上高は、米国で、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大に伴う人工関節置換術の延期・中止措置により大きな影響を受けたこと、また、日本国内において骨折症例が増加した2019年12月以降、大腿骨頚部・転子部骨折治療に使用される「OM Femoral Nail システムIII(製品名:ASULOCK)」について、製造元の製造能力不足による在庫不足が解消されず、拡大する需要に応えられなかったことを挙げている。

 最終利益については、米国子会社「ODEV社」の課税所得が前期より増加しODEV社製製品の未実現利益の消去に係る繰延税金資産を追加で計上したことから、前回予想を上回る結果となった。

 そのため、売上高は前回予想を6億66百万円下回る180億83百万円(前回予想比3.6%減)、営業利益は2億05百万円下回る26億44百万円(同7.2%減)、経常利益は1億88百万円下回る25億81百万円(同6.8%減)、純利益は1億14百万円上回る21億64百万円(同5.6%増)となった。

 その結果、20年3月期の業績は、前期比で売上高8.1%増、営業利益18.3%増、経常利益16.9%増、純利益9.1%増と増収増益となりこれまでの04年5月期の過去最高益を更新して着地した。

 配当については、コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの最高益更新であったことから期末10円(前年同期9円)と1円の増配となった。

 21年3月期業績予想については、日米ともにコロナウイルスの治療が優先されている現状を踏まえると、減収減益を見込んでいる。

 ちなみに、21年3月期連結業績予想は、売上高178億円(前期比1.6%減)、営業利益22億円(同16.8%減)、経常利益21億円(同18.7%減)、純利益16億円(同26.1%減)を見込んでいる。

 配当については、11円と1円の増配を予想している。

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