【編集長の視点】インテリジェントWは3Q決算発表を先取って急反発し減益転換率は想定を下回る

 インテリジェント ウェイブ<4847>(東1)は、前日7日に62円高の639円と急反発して引けた。同社株は、前日7日に今2020年6月期第3四半期(2019年7月~2020年3月期、3Q)決算の発表を予定しており、前年同期比では減益転換を見込んでいるが、6月通期業績は連続増益を見込んでいることを先取りして下げ過ぎ訂正買いが再燃した。実際に7日大引け後に開示された3Q業績は、減益転換はしたが減益率は想定より縮小した。テクニカル的にも、この日の急反発で年初来高値844円から年初来安値398円への調整幅の半値戻しをクリアしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに年初来高値へのキャッチアップ期待を高めている。

■金融向け開発案件が積み上がりサイバーセキュリティ製品も販売強化

 7日大引け後に開示された今期3Q業績、売り上げ78億500万円(前年同期比1.5%増)、営業利益5億8500万円(同13.3%減)、経常利益6億100万円(同12.7%減)、純利益3億9800万円(同14.7%減)と減益転換した。前年同期は、自社製パッケージソフトウエアやクラウドサービスの売り上げが、前年同期より2.31倍と急成長したことで利益がV字回復したが、今期3Qは、自社製パッケージソフトウエアが減収となり一部、想定より利益率の低い案件もあり、前年同期の大幅増益業績からは反動減となった。ただ営業利益は、前年同期比70%超の減益転換と想定しており、想定より減益転換率は小幅にとどまった。

 今6月期通期業績は、今期第2四半期の受注残高が、57億8600万円(前年同期比7.8%増)と高水準をキープし、第4四半期には金融システムソリューション事業の開発案件の積み上げやハードウェアの更改案件の取り込みなどを進め、プロダクトソリューション事業では、イスラエル製のサイバーセキュリティ製品の販売強化を図ることなどから期初予想を据え置いた。売り上げ106億円(前期比1.5%増)、営業利益10億円(同8.5%増)、経常利益10億4000万円(同9.1%増)、純利益7億2000万円(同5.3%増)と続伸を見込んでいる。

■年初来調整幅の半値戻しをクリアし全値戻しの年初来高値にキャッチアップ

 株価は、今期第1四半期(2019年7月~9月期)のV字回復業績を手掛かりに年初来高値844円まで買い進まれ、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安に巻き込まれて年初来安値398円まで大幅調整した。同安値からは売られ過ぎ修正期待にテレワーク関連のサーバーセキュリティ関連株人気もオンして617円の戻り高値まで55%高し、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換をアピールした。足元ではこの高値固めを上放れ、75日線を上抜き年初来調整幅の半値戻しを達成した。「緊急事態宣言」がさらに1カ月延長されたことも加わり、「半値戻しは全値戻し」の相場格言通りに年初来高値へのキャッチアップを加速させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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