メディカル・データ・ビジョンがオンライン診療を支援する「医師BANK」を創設へ

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■医師が不安なく診療できる環境整備し6月メドに最初のサービス開始

メディカル・データ・ビジョン(MDV)<3902>(東1)は5月11日の午後、オンライン診療に際して全国の医療機関や医師が不安なくオンライン診療に取り組めるよう、「オンライン・ドクターバンク」を構築し、6月をメドに第1弾のサービスを開始すると発表した。

■患者情報が乏しいと適切な医療を行えない可能性が

 「オンライン診療」についてMDVが緊急アンケートをしたところ、回答した250病院のうち、「実施しない」が4割強に達した。その理由を複数回答で聞いたところ、「環境が整っていない」「診療に対する責任が不明確」「患者情報が少ない」などの意見があったという。これは、患者にとっても好ましいことではない。

 そこで、MDVでは、検査結果や診断、治療、服用した薬、健康診断の結果、家で計った体温や血圧などを人生を通じて統合的に記録、管理できる「PHR(パーソナルヘルスレコード)システム」を活用し、過去の受診歴や処方歴などを持つ患者が、同バンクに登録した医療機関や医師のオンライン診療を受けられるようにする。「オンライン・ドクターバンク」を構築することとした。

 「オンライン・ドクターバンク」には、オンライン診療を実施する医療機関や医師に登録してもらい、働く世代で医療機関に行く時間のない人や、慢性疾患で定期受診をして処方してもらうのが困難になった人などが、同バンクに登録した医療機関や医師のオンライン診療を受けられるよう橋渡しを行う。

 同社は、患者がスマートフォンなどで健康・医療情報を閲覧できるPHRサービス「カルテコ」を開発、現在、全国7病院でこのサービスが提供されている。「カルテコ」では、診療情報、医用画像や健診結果のほか、自分で計測した血圧などのバイタルデータの保管・閲覧が可能。「オンライン・ドクターバンク」では、この「カルテコ」を活用してオンライン診療を後押しする環境を整備する。

 オンライン診療については、4月に緊急対策のひとつとして、受診歴がない初診患者でも電話やパソコンなどによるオンライン受信が認められた。このとき、政府は「診療の際、できる限り、過去の診療録や診療情報提供書などにより患者の基礎疾患の情報を把握・確認した上で診断や処方を行うこと」とする事務連絡を出している。(HC)

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