アイリッジが大きく切り返す、メディカルネットと本格提携し、業界初のスマホと口腔内カメラを活用した歯科向けオンライン診療サービスなど好感

■実証が進み、今夏以降をメドにβ版を矯正歯科から開始の予定

アイリッジ<3917>(東マ)は5月18日の前場、朝方の64円安を下値として次第に値を戻し、前引けにかけては944円(14円高)と反発した。15日、メディカルネット<3645>(東マ)とともに、業界で初めてスマートフォンと口腔内カメラを活用した歯科向けオンライン診療サービスの実用化推進を発表し、注目されている。

 同時に発表した2020年3月期の連結業績は、営業・経常利益が従来予想を下回る着地となったが、この4月には、歯科においても初回の診療からオンラインでの保険診療が認められたことから、今後、急速に注目が強まる可能性がある。

■スマホのビデオチャットと歯科医院から提供される口腔内カメラが連動

 「口腔内カメラを活用したオンライン診療サービス」は、スマートフォンによるビデオチャットと、事前に歯科医院から患者に提供される歯科用口腔内カメラを活用し、患者の口腔内状況をリアルタイムに部位を確認しながら診察を行う。これは業界初のサービスになる。両社は、2018年から協働してこれらのサービスの検討を進めており、19年には実証実験を開始した。 
患者にとっては、医師とのオンライン診療中に、自ら口腔内カメラを操作し患部の状態を動画で送信することで、問診だけの診察に比べ適切な診断が期待できる。また、矯正器具の装着状況の確認や違和感がある場合に、スマートフォンやタブレットを通じてオンライン診療を受けることができ、定期検診以外の通院機会を減らすことができる。

 さらに、各種指導管理(TBI等)、抜歯後の経過観察、補綴装着後の経過観察、小児対応、食事風景確認(入れ歯患者等)、各種運動療法の確認(ストレッチ、マッサージ)、矯正経過観察等も想定しており、口腔内カメラで撮影されたデータは、医師のタブレット端末に保存され、診察内容として記録される。

■来院頻度を減らすことで感染症の拡大防止などにも効果が

 また「オンライン相談(遠隔健康医療相談)サービス」は、事前に質問事項やスマートフォンカメラで撮影した画像(写真または動画)を送信することで、非リアルタイムで医師に相談できる。個別具体的な回答・指示を行う診療とは異なり、あくまでも相談として、診療の必要性などについて、医師が一般的な回答・アドバイスを行う。

 患者の状況を事前に画像で確認し相談受付を行うことで、来院時に効率的なコミュニケーションを取ることができる。また、来院頻度を減らすことで、感染症の拡大防止にも効果がある。

 これらのサービスは、現在、β版の提供に向けた準備を進めている。β版は今年夏以降をメドに、矯正歯科向けからの提供開始を予定しており、β版の提供後には、歯科医院・患者双方からのフィードバックを受けて、サービス・機能の拡充を行い、早期の製品版の提供と普及を目指す計画だ。

 痛みを感じた時や器具装着中の違和感がある時に、気軽に利用できるオンライン診療/オンライン相談(遠隔健康医療相談)によって通院機会を減らし、心理面・物理面での患者負担減と矯正治療を始めやすい環境の提供を目指す。

 このたびの提携では、インターネットを活用した生活者と事業者に革新的な事業を展開するメディカルネットと、スマートフォンアプリの開発・技術提供を通じて世の中に新しい価値を提供するアイリッジが、歯科医療の領域を中心に、両社の強みを活かし、歯科医院と患者双方の利便性向上に努めていくとした。

アイリッジグループのDGマーケティングデザインはJ-WAVEと連携し近くのデリバリー/テイクアウト飲食店を紹介

■スマホの位置情報をもとにマップ上で確認しお店の詳細情報が

 また、アイリッジの連結子会社・株式会社DGマーケティングデザインは、FMラジオ放送の株式会社J-WAVE(東京都港区)と連携して提供するOMO情報発信プログラム「SoundMap」内で、5月からスマートフォンの位置情報をもとにデリバリー/テイクアウトに対応する飲食店を紹介するコンテンツ「FOOD MAP」を配信開始した。

 「SoundMap」は、ラジオ放送とWebAR技術が一体となったアプリレスでの「音のAR体験」を提供するプログラム。ユ-ザーは、「SoundMap」内の「FOOD MAP」にアクセスすることで、自宅近くのデリバリー/テイクアウト対応飲食店をマップ上で確認し、お店の詳細を知ることができる。(HC)

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