【編集長の視点】システムサポートは実質最高値を視界、通期業績上方修正を見直し株式分割・増配の権利取りも再燃

システムサポート<4396>(東1)は、前日18日に248円高の3220円と3営業日ぶりに急反発して引け、東証第1部値上がり率ランキングの第30位に躍り出た。と同時に、今年2月25日につけた株式分割落ち後の高値で実質的に上場来高値となる3440円を視界に捉えた。今年5月13日に発表した今2020年6月期業績の上方修正を見直してクラウド関連株買いが再燃しており、今年5月31日を基準日とする株式分割(1株を2株に分割)や増配を予定している今期配当の権利取りもオンした。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜きゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換したとしてサポート材料視されている。

■クラウド関連の受注拡大が寄与して過去最高業績をさらに伸ばす

 同社は業績上方修正の常連株で、前2019年6月期業績も期中に2回上方修正し、今2020年6月期も、第2四半期(2019年7月~12月期、2Q)累計業績を今年1月22日に上方修正し、5月13日の上方修正は今6月期通期業績が対象となった。期初予想より売り上げを2億7700万円、営業利益を1億3500万円、経常利益を1億700万円、純利益を5200万円それぞれ引き上げたもので、売り上げ132億900万円(前期比12.3%増)、営業利益7億500万円(同33.1%増)、経常利益6億6000万円(同31.1%増)、純利益4億400万円(同17.1%増)と連続最高業績の更新幅を拡大させる。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク導入企業の急増などを背景に、クラウドサービス利用支援分野の受注が拡大してソリューション事業が想定を上回って推移し、増収効果による売上総利益の増加と販売管理費の圧縮も相乗したことが要因となった。

 一方、株式分割は、昨年3月31日を基準日(1株を2株に分割)として実施したのに続き2回目で、2018年8月の新規株式公開(IPO)以来、矢継ぎ早な積極的な株主優遇策となる。また今2020年6月期の年間配当は、10円(株式分割権利付きでは20円)を予定し、前2019年3月期実績の3円(同6円)に対して大幅な連続増配となる。

■GC示現で上昇トレンド転換を鮮明化しIPO時以来の4000円大台も

 株価は、前回の株式分割の権利を2870円で落とし分割権利落ち後安値1225円へ調整したが、売られ過ぎとして底上げ、2Q業績の上方修正を歓迎してストップ高を交え3440円まで買い進まれ、IPO時につけた上場来高値4025円を株式分割勘案で実質的に更新した。同高値後は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安に巻き込まれて1550円まで再調整したが、テレワーク関連のクラウド株人気で再底上げ、通期業績の上方修正、株式分割、連続増配を手掛かりに3295円の戻り高値をつけ3000円大台出没を続けてきた。この間に25日線と75日線が交差するGCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化しており、分割権利落ち後高値3440円奪回から値ごろ的にはIPO時の4000円大台への意識を強めそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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