シルバーライフは戻り試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 シルバーライフ<9262>(東1)は後期高齢者向けに特化して配食サービスを展開している。FC本部としての調理済食材販売が主力である。20年7月期営業増益予想である。巣ごもり消費も追い風となって収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■高齢者向け配食サービスを展開

 自分で調理することや買い物に行くことが困難な一人暮らしなど、要介護の後期高齢者向けに特化して配食サービスを展開している。

 販売(事業)区分は、FC本部として加盟店に調理済食材を販売するFC加盟店事業、高齢者施設等に調理済食材やチルド弁当を販売する高齢者施設等事業、宅配弁当業者などから相手先ブランドの冷凍弁当を受託製造するOEM事業としている。19年4月には冷凍弁当直販(その他事業)も開始した。

 19年7月期の事業別売上構成比は、FC加盟店事業が72%、高齢者施設等事業が16%、OEM・その他事業が12%だった。主力のFC加盟店事業ではロイヤリティを受け取るが、大部分が調理済食材の売上である。

 特徴・強みとしては、要介護の後期高齢者向け配食に特化していること、普通食からやわらか食まで低価格かつ豊富なメニューを用意していること、FC本部として調理済み食材販売を主力としていること、配食サービスで求められる多品種ランダム生産に対応したフレキシブルかつローコスト製造のノウハウを蓄積していること、管理栄養士による商品開発から、自社工場(一部外注)による製造、冷凍・冷蔵倉庫における保管、FC加盟店による配達まで一気通貫で展開していること、さらに高齢者の自宅まで届けるFC加盟店の配達ネットワークを活用して周辺ビジネスにも展開できることなどがある。

 なお5月25日には、配食サービス利用者に弁当を手渡した時の状況を知らせる高齢者見守りサービス「シルバーライフ安否確認アプリ」が、特許を取得したと発表している。

■配食サービス店舗数1位

 主力のFC加盟店事業は、09年4月開始のまごころ弁当と、14年2月開始の配食のふれ愛の2ブランドで展開している。

 19年7月期末のFC店舗数は、18年7月末比103店舗増加の合計729店舗(まごころ弁当が49店舗増加の430店舗、配食のふれ愛が54店舗増加の299店舗)となった。配食サービスの店舗数として1位規模である。

 FC加盟店にとっては低コストで簡単に開業できるメリットがある。FC本部から仕入れた調理済食材を盛り付けて配達するだけの簡単なオペレーションのため、調理経験や大型厨房設備が無くても開業できる。また来店型店舗でないため立地を問わない。このためFC加盟店は順調に増加している。

 高齢者施設等事業はまごころ食材サービスとして調理済み食材やチルド弁当を販売している。民間配食業者の効率的な食材販売サービスへの需要が高まり、新規契約が増加基調である。配達はFC加盟店の配達ネットワークを利用している。19年7月期末の契約施設数は18年7月期末比1023施設増加の5429施設だった。20年4月には高齢者施設向け新商品として冷凍パック商材「こだわりシェフ」の販売を開始した。

 OEM事業は、宅配弁当業者などから相手先ブランドで冷凍弁当を受託製造している。19年6月には冷凍弁当の自社直販事業として自社ECサイトでの販売を開始した。20年2月には冷凍弁当配送システム(冷凍庫レンタルサービス)の特許を出願した。また20年3月には日商エレクトロニクスの弁当注文・決済代行サービス「おべんとね!っと」を通じて、全国の学童施設向けにまごころ弁当および配食のふれ愛を配達するサービスを開始した。来年度300施設への導入を目指している。

■20年7月期営業増益予想

 20年7月期業績(非連結)予想は、売上高が19年7月期比13.2%増の88億30百万円、営業利益が11.8%増の9億90百万円、経常利益が6.8%増の10億70百万円、純利益が5.4%増の6億70百万円としている。各事業が順調に伸長して営業増益予想である。

 事業別売上高の計画は、FC加盟店事業が14.6%増の64億30百万円、高齢者施設等事業が5.7%増の13億30百万円、OEM・その他事業が14.8%増の10億70百万円としている。FC加盟店事業は年間50店舗程度の出店を見込んでいる。高齢者施設等事業は前期実施した販売単位定量化の影響でやや伸び悩む見込みだ。OEM・その他事業では冷凍弁当直販を本格化する。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の42億12百万円、営業利益が5.0%減の4億11百万円、経常利益が0.2%減の4億86百万円、純利益が0.7%増の3億02百万円だった。冷凍弁当直販開始に伴う広告宣伝費の増加などで営業減益だが、売上面は概ね順調だった。

 主力のFC加盟店事業は加盟店舗数が順調に増加し、7月からの値下げを吸収して12.7%増収と牽引した。高齢者施設等事業は端数パック廃止の影響で6.9%減収だった。OEM・その他事業はOEMの委託量が減少したが、冷凍弁当直販売上が大幅伸長して28.1%増収だった。20年1月末の店舗数は19年7月末比39店舗増加の合計768店舗(まごころ弁当が26店舗増加の456店舗、配食のふれ愛が13店舗増加の312店舗)となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高47.7%、営業利益41.5%である。やや低水準の形だが、巣ごもり消費も追い風となって収益拡大を期待したい。

■生産能力増強

 高齢化が進展して後期高齢者人口が増加し、在宅介護へのシフトも追い風となって配食サービスの利用者の増加が予想される。また高齢者施設等においても、調理者不足に伴って外部委託の需要が高まっている。事業環境は良好である。

 成長戦略としては、積極的なFC加盟店の募集と店舗網の拡大、高齢者施設等向け新規開拓と継続契約へのフォロー、OEM販売先の新規獲得などを掲げている。店舗数は中期的に1500店舗を目指している。

 生産能力を増強するため、新工場(仮称:第2関東工場、物流効率化を目的に物流倉庫併設、20年稼働予定、投資総額37億円)を建設する。1日当たり最大15万食(現在の関東工場の3~4倍の生産能力)製造可能となる。また製造方法変更による賞味期限延長で、配送頻度を週3回から週2回に変更して物流費を削減する。

 新工場稼働後は立ち上げ費用や減価償却費の増加が一時的利益圧迫要因となるが、販売チャネル拡大や生産能力増強で中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は戻り試す

 株価(19年10月1日付で株式2分割、20年1月27日付で東証マザーズから東証1部に市場変更)は、3月の安値圏から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。5月25日の終値は2268円、今期予想PER(会社予想EPS63円11銭で算出)は約36倍、前期実績PBR(前期実績BPS692円33銭で算出)は約3.3倍、時価総額は約242億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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