PALTEKは戻り試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 PALTEK<7587>(東2)は独立系の半導体輸入商社で、ソリューション事業の拡大を推進している。20年12月期の連結業績は第1四半期が大幅増収増益となり、第2四半期累計を上方修正した。通期は新型コロナウイルス影響で営業減益予想を据え置いた。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が懸念材料として意識されるが、収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から水準を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■独立系の半導体輸入商社

 独立系の半導体輸入商社である。ザイリンクス社のFPGA(PLDの一種で設計者が手元で変更を行いながら論理回路をプログラミングできるLSI)を主力に、特定用途IC、汎用IC、アナログ、メモリなどを扱う半導体事業、試作ボードや量産ボードなどを受託設計・開発・製造(ODM)するデザインサービス事業、および新規事業としてのソリューション事業(ビデオソリューション、IoTソリューション、物流ソリューション、エネルギーソリューションなど)を展開している。

 用途別には産業機器、FA機器、通信機器、放送機器、医療機器、車載機器向けなどに幅広く展開している。主要販売先はNEC<6701>、ソニー<6758>、オリンパス<7733>などである。

■FPGAビジネスの取引形態変更

 18年1月からFPGAビジネスの取引形態を変更した。一部の主要大手顧客への販売活動のうち、販売・物流オペレーション業務のみを当社が担当し、それ以外のFPGA活用ニーズの調査・案件発掘・案件獲得・技術サポートに関する業務はザイリンクス社が担当する。この変更によって売上総利益率が低下するが、売上高に影響は無い。主要大手顧客以外の顧客については、従来どおり当社が全ての販売業務を担当する。

 19年11月にはザイリンク社製品販売に関する取引異動および取引形態変更を発表した。PALTEKが担当していた一部の大手顧客向け販売・物流オペレーションを他の代理店に移管する。20年12月期第2四半期から実施する。一方でPALTEKが販売・物流オペレーションのみを担当していた一部の大手顧客について、ザイリンク社が担当していた技術サポートをPALTEKが担当する。19年11月から実施した。

 20年12月期以降、他の代理店への移管が売上高減少要因、技術サポート担当が売上総利益率改善要因となる。

■ソリューション事業を拡大

 FPGAビジネスの取引形態変更に伴い、半導体ビジネスは車載・5G・IoT・AIなど成長分野への展開に注力している。またデザインサービス事業やソリューション事業においても、成長市場向けの高収益ビジネス拡大を加速させる方針だ。中期経営目標には22年12月期売上高400億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。

 デザインサービス事業では、画像圧縮技術やFPGA設計ノウハウなどをベースとして、設計・開発受託の拡大、新規分野のモビリティビジネスの拡大を推進する。ソリューション事業では、乳幼児見守りシステム、紙梱包資材システム、作業支援アシストスーツなど、新規分野の拡販を推進する。

 19年1月ハカルスとFPGA向けAIソリューションを共同開発、19年3月RistとAIソリューションで協業、アジラとAIソリューションで協業、19年9月ハカルスのAI搭載外観検査サービスを提供開始、19年11月AI要素技術のAI InfinityとAIのハードウェア実装分野で協業開始、19年12月コネクティルとAI教師データのアノテーション業務で協業開始した。

 20年3月にはFPGAコンピューティングプラットフォーム「M-CUBE」の受注開始を発表した。5Gの超低遅延に不可欠なMECやAIの高速データ処理を実現するプラットフォームである。20年4月には空間除菌が開発した業務用空間除菌デバイスの販売を開始した。

■仕入値引きドル建て債権評価額が為替によって変動する収益特性

 一部の主要仕入先に対して保有する仕入値引きドル建て債権評価額が為替によって変動し、売上総利益の増減に影響を与える収益特性がある。ドル高・円安は売上総利益押し上げ要因、ドル安・円高は売上総利益押し下げ要因となる。19年12月期の売上総利益への為替影響は2億26百万円の減少要因(18年12月期は35百万円の減少要因)だった。

■20年12月期通期

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比3.0%減の295億円、営業利益が21.9%減の3億円、経常利益が13.6%減の2億20百万円、純利益が51.6%増の1億50百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の10円(期末一括)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比23.1%増の87億56百万円となり、営業利益が2.6倍の2億12百万円、経常利益が1億45百万円(前年同期は5百万円の赤字)、純利益が73百万円の黒字(同15百万円の赤字)となった。半導体事業がFPGAビジネスの拡大などで24.9%増収となり、デザインサービスも通信機器向けなどに13.5%増収と好調に推移した。さらに為替影響が売上総利益にプラス要因となったことも寄与した。

 なお第2四半期累計予想(5月8日に売上高、利益とも上方修正)は大幅増益予想としている。売上面では半導体事業のFPGAが、5Gインフラ通信機器向けの好調などで想定を上回る。利益面では新型コロナウイルス影響による展示会出展中止などで、販管費が想定を下回ることも寄与する。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が懸念材料として意識されるが、収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在100株以上保有株主を対象として、保有株式数と継続保有期間に応じてクオカードを贈呈(詳細は会社HPを参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は3月の安値圏から水準を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。5月25日の終値は493円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS13円69銭で算出)は約36倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS872円40銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約58億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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