うかいは反発の動き

 うかい<7621>(JQ)は高級和食・洋食料理店を主力として、文化事業も展開している。21年3月期業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。当面は外出自粛や店舗・美術館臨時休館の影響が避けられないが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。

■高級和食・洋食料理店が主力

 高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。20年3月期の売上高構成比は、事業本部が92%(和食39%、洋食43%、物販・その他11%)で、文化事業が8%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。

 海外は、17年11月台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内に1号店「うかい亭 高雄」をグランドオープン、19年1月台湾・台北市の商業施設「微風南山」内に2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」をオープンした。

 成長戦略では人材の確保・育成、ブランドの研鑽、物販事業の成長促進、国際的なブランド発信の4つ課題を掲げ、さらなる成長に向けた強固な経営体質の確立に取り組んでいる。数値目標には、21年3月期売上高145億16百万円、営業利益5億50百万円を掲げている。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 20年3月期の業績(非連結)は、売上高が19年3月期比4.5%減の132億88百万円で、営業利益が2億61百万円の赤字(19年3月期は2億28百万円の黒字)、経常利益が2億83百万円の赤字(同1億96百万円の黒字)、純利益が4億95百万円の赤字(同96百万円の黒字)だった。配当は無配とした。

 第3四半期累計の台風19号による臨時休業の影響、第4四半期の新型コロナウイルスによる臨時休業の影響などで減収となり、人材関連費用の増加なども影響して各利益は赤字だった。なお特別損失に減損損失や災害損失を計上した。

 21年3月期業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。当面は外出自粛や店舗・美術館臨時休館の影響が避けられないが、中期的に収益拡大を期待したい。なお手元資金を厚くすることを目的に20年4月、取引金融機関3行とコミットメントライン契約を締結している。

■株主優待制度は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 株価は反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。5月27日の終値は3210円、前期実績PBR(前期実績のBPS860円44銭で算出)は約3.7倍、時価総額は約168億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る