ナルミヤ・インターナショナルは急反発の動き

 ナルミヤ・インターナショナル<9275>(東1)はベビー・子供服の企画販売をSPA形態で展開し、SC向けやECを強化している。21年2月期連結業績・配当予想は未定としている。新型コロナウイルスによる店舗臨時休業・営業時間短縮の影響が避けられないが、中期的に収益拡大を期待したい。なお5月28日には一部店舗の営業再開をリリースしている。株価は緊急事態宣言解除を機に急反発の動きとなった。出直りを期待したい。

■ベビー・子供服の企画販売

 0歳~13歳のベビー・子供服の企画販売をSPA(製造小売)形態で展開し、SC(ショッピングセンター)向けやEC(ネット通販)を強化している。19年3月に資本業務提携したワールドが第1位株主となっている。また19年3月には男児向けカジュアルウェアのハートフィールを子会社化した。

 20年2月期のチャネル別売上構成比は百貨店が27.5%、SCが41.4%、ECが18.5%、その他(アウトレット、卸売、フォトスタジオ、ライセンス販売など)が12.6%だった。SCとECの構成比が上昇基調である。20年2月期末の直営店舗数は百貨店575店舗、SC184店舗だった。また20年2月期のチャネル別売上総利益率は百貨店が51.4%、SCが60.5%、ECが53.4%だった。

 収益面では、個人消費や天候の影響を受けるとともに、商品単価の高い冬物衣料や福袋の販売、クリアランスセールなどで下期(9月~2月)の構成比が高い特性がある。

■SC向けやECを強化

 変化の激しい子供服市場におけるオンリーワン・ナンバーワンを目指し、中期成長に向けた基本方針として、収益力の向上(ブランドポートフォリオの構築、販売ポートフォリオの構築、生産・物流の効率化)、人材の育成、企業体質の強化(新市場の開拓、新カテゴリーの開発、アジアを中心とする海外市場への進出)を掲げている。

 マルチチャネル・マルチブランド戦略を基本として、市場変化に対応して販売チャネルおよびブランドのポートフォリオの最適化に留意しながら経営資源を配分する。具体的には、少子高齢化の事業環境に対して、百貨店向けの高価格帯からSC向けの中価格帯への軸足シフト、EC強化によるオムニチャネル化を推進している。また子供とその家族をターゲットとして、提供すべき価値をモノ(洋服)からコト・サービスへと拡大することで、キッズライフ企業への成長を目指すとしている。

■21年2月期連結業績・配当予想は未定

 21年2月期の連結業績予想・配当予想は未定としている。重点戦略として、百貨店チャネルでのジュニアブランドの縮小と新外資系ブランド(ベビートドラー)の展開、人件費の圧縮、中国市場への進出(中国本土のTmallでpetit mainを展開)に取り組む。

 ECが大幅伸長しても、新型コロナウイルスによる店舗臨時休業・営業時間短縮の影響が避けられないが、中期的に収益拡大を期待したい。なお5月28日には一部店舗の営業再開をリリースしている。

■株主優待は毎年2月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年2月末現在の1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数に応じて10%ディスカウント券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は急反発の動き

 株価は緊急事態宣言解除を機に急反発の動きとなった。出直りを期待したい。5月28日の終値は793円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS428円24銭で算出)は約1.9倍、時価総額は約80億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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