【特集】自分流の業績相場は未定変更の早期予想業績開示株と増益予想の小型株の2本立て

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 今週の当特集では、自分流の業績相場にチャレンジしてみることとした。ターゲットとするのは、当初の本決算発表時に今期予想業績や配当を未定としていた企業のうち、以来およそ1カ月、早くも今期予想業績を開示した銘柄と、もともと今期業績を開示し時点で連続増益・増益転換・黒字転換を予想した銘柄である。このうちPER評価で割安で、高配当利回りとなる銘柄は、小型株、内需系のウエートが高く、全員参加型の主力株ほどの派手さはないが、いずれセクターローテーションに乗ってくることも予想され、小なりといえども業績相場発進のエンジンと期待されそうだ。

■マキヤはわずか4日で予想業績を開示しその他12銘柄も割り負け顕

 当初の業績未定予想を変更して業績予想を開示したケースは、5月末現在で13銘柄に及ぶ。なかでもマキヤ<9890>(JQS)は、今年5月15日の3月期決算発表時に今2021年3月期予想業績を未定としたが、5月19日には未定を変更して業績予想を開示し、13銘柄のなかで唯一、連続増収増益を見込み、ストップ高したが、今年3月に突っ込んだ年初来安値からの上昇率は31%と市場平均並みの上昇率にとどまり、PERは13倍台、PBR0.5倍と割安であり、再度の上値トライが有力となる。

 マキヤ以外の12銘柄をコード番号順に上げると日本電技<1723>(JQS)高松コンストラクショングループ<1762>(東1)トーメンデバイス<2737>(東1)アイカ工業<4206>(東1)日本化薬<4272>(東1)MS&Consulting<6555>(東1)マブチモーター<6592>(東1)メイコー<6787>(JQS)伊藤忠エネクス<8133>(東1)エムジーホーム<8891>(東2)スペース<9622>(東1)ビケンテクノ<9791>(東2)となる。いずれも今期業績は減益予想だが、多くがPBR1倍を割れ、PER評価ではエムジーホームがわずか3.2倍でそのほか10倍以下が5銘柄を数える。配当利回りも、伊藤忠エネクスの5.1%を筆頭にマブチモーター、トーメンデバイス、アイカ工業、スペースが3%台で続いており、バリュー株妙味は十分にある。

■期初から増益予想銘柄はPER1ケタ台、高利回りの25銘柄に狙い目

 当初の決算発表時点で、主に今期純利益を連続増益、増益・黒字転換と予想した銘柄は、自分流に勝手集計すると5月の1カ月間でおよそ137社に達した。このうちPER評価が10倍割れの1ケタ台、かつ配当利回りが3%以上を条件に絞り込むと、25銘柄がスクリーニングされる。決算発表順に上げるとイエローハット<9882>(東1)芙蓉総合リース<8424>(東1)西華産業<8061>(東1)兼松<8020>(東1)スクロール<8005>(東1)ナフコ<2790>(JQS)静岡銀行<8355>(東1)武蔵野銀行<8336>(東1)千葉銀行<8331>(東1)イハラサイエンス<5999>(JQS)東邦銀行<8346>(東1)シンデン・ハイテックス<3131>(JQS)栗本鉄工所<5602>(東1)ケー・エフ・シー<3420>(東2)日本商業開発<3252>(東1)協和日成<1981>(JQS)大本組<1793>(JQS)飯野海運<9119>(東1)新日本建物<8893>(JQS)コプロ・ホールディングス<7059>(東マ)ヨシコン<5280>(JQS)イチケン<1847>(東1)SOMPOホールディングス<8630>(東1)東邦アセチレン<4093>(東1)SRAホールディングス<3817>(東1)となる。

 多くは、証券アナリストがカバーする守備圏外の小型株で意外性があり、またここに含まれる地銀株、損保株が一時、バリュー株として買われ水準訂正した経緯もあるだけに、自分流に取捨選択して潜行投資をすれば、上値浮上のチャンスが巡ってきそうだ。

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