ソーバルは戻り試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ソーバル<2186>(JQ)は組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開し、請負拡大による収益構造転換や自動車・AI・IoTなど新規技術分野開拓を推進している。21年2月期は横ばい予想としている。当面は新型コロナウイルスによる受注環境変化の影響に注意必要だが、収益拡大を期待したい。なお6月30日に第1四半期決算発表を予定している。株価は3月の安値圏から水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開

 組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ独立系組み込みソフト開発企業で、優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴だ。

 成長戦略として、請負拡大による収益構造の転換、顧客や分野の多様化、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓、プロジェクト管理体制強化による不採算化抑制、人材の採用・教育の強化、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的なリレーション構築の強化を推進している。

 20年2月期の主要顧客別売上構成比は、キヤノングループ31.6%、ソニーグループ20.0%、富士通グループ10.7%、日立グループ3.0%、リクルートグループ2.6%、NTTグループ2.3%、その他29.8%だった。19年2月期との比較で見るとキヤノングループが低下し、ソニーグループと富士通グループが上昇した。取引社数は19年2月期比9社増加の193社だった。顧客の多様化とキヤノングループ依存体質からの脱却も進展している。

 契約種別比率は請負59.5%、派遣40.5%(19年2月期請負53.9%、派遣46.1%)となった。請負拡大による収益構造転換も進展している。

 なお19年12月IoTシステム構築のMomo社と連携、20年2月データ・分割・高速暗号化ソフトウェア製品のUbiq社と国内販売代理店契約締結した。

■21年2月期横ばい予想

 21年2月期の連結業績予想は、売上高が20年2月期比0.1%増の83億54百万円、営業利益が1.0%増の6億40百万円、経常利益が0.5%増の6億49百万円、純利益が1.6%増の4億43百万円、配当予想は2円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)である。

 重点戦略として体制構築が進んだ請負業務の拡大、優良顧客からの継続受注、プロジェクト管理体制の継続強化、部門間のクロスセル体制強化、ベースアップ・同一労働同一賃金対応を含む人材投資の実施、AIを中心とする高度IT人材の育成加速、アライアンスによる新規分野収益案件の獲得などを推進する。

 なお新型コロナウイルスの影響を織り込んでいないが、働く場所に左右されない開発環境構築とセキュリティ確保などによって、影響を最小限に抑える方針だ。当面は新型コロナウイルスによる受注環境変化の影響に注意必要だが、収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年8月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年8月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は3月の安値圏から水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月1日の終値は1028円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円31銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想32円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS392円59銭で算出)は約2.6倍、時価総額は約84億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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