【どう見るこの相場】谷深ければ山高し!?地銀株は「御用金融資」に長期金利上昇も追い風にバリュー株人気

どう見るこの相場

 「山高ければ谷深し」とは、バブル相場の末路を後付ける常套フレーズである。ところが今回は、まったくアベコベだ。「谷深ければ山高し」である。日経平均株価は、今年2月28日に米国のニューヨークダウ工業株30種平均(NYダウ)が、米国で初の新型コロナウイルスの市中感染者が確認されて1190ドル安と過去最大の下げ幅となったのにツレ安して805円安と急落してからわずか半月で年初来安値1万6358円まで5590円安と谷底に転げ落ちた。ところが、その谷底から2カ月超の6月1日に急落前の水準を回復した。

 とくにこの2週間の株高は急ピッチで、5月第5週の上げ幅が1489円、前週の6月第1週が同じく985円に達し2万3000円台目前に迫った。前週末5日のNYダウは一時、1000ドル高し大引けでも829ドル高と大幅続伸しただけに、日経平均株価も、年初来高値2万4115円への意識を強めそうだ。この大幅リバウンドについては、さまざまにマーケットコメントされている。経済活動再開に伴う景気のV字回復期待、各国の中央銀行の潤沢な資金供給を背景とする過剰流動性相場、個人投資家や機関投資家の待機資金の買い出動、「コロナ・ショック」を売り込んだ売り方の損失覚悟の買い戻しなどなどである。

 実は、この日経平均株価をオーバーパフォームしている銘柄がある。前週末5日に年初来高値を更新した銘柄だ。東証1部で47銘柄に及ぶ。新型コロナウイルス関連特需享受のコロナ・ポジティブ株、巣ごもり消費関連株、5G(第5世代移動通信システム)関連株などテーマ性や投資採算水準など千差万別だが、最大公約数的な共通項は株不足である。47銘柄のうち27銘柄、57%が売り長で、信用取組が1倍台で拮抗する6銘柄を含めると全体の6割を超える。(詳細=特集:好需給株の一角に食い込んでいる地方銀行株に注目

【関連記事情報】
【特集】好需給株の一角に食い込んでいる地方銀行株に注目

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る