アルコニックスは反発の動き

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期減収減益予想である。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお8月6日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)~川中(流通)~川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期~23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13~15%程度、NET/DER1.0~1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円~300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI-MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■21年3月期は新型コロナウイルス影響で減収減益予想

 21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。新型コロナウイルスの影響を考慮して減収減益予想としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 商社流通―電子機能材(セグメント経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料の需要増加、レアメタル・レアアースたな卸資産評価損計上の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は自動車関連を中心に需要減少だが、利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は、半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日~20年10月31日)については、20年5月29日時点で累計取得株式数が24万1600株となっている。

 株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月6日の終値は1227円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS93円59銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約318億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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