イワキの第2四半期連結決算は新型コロナの影響で営業利益31%減だったが主力薬品などは伸びる

■「HBC・食品事業」への影響が大、医薬品原料は製販とも堅調

イワキ<8095>(東1)の2020年11月期・第2四半連結期決算(2019年12月~20年5月、累計)は、主要4事業のうち売上構成比が最大の約4割を占めるHBC(ヘルス・アンドビューティケア)・食品事業で新型コロナウイルス感染症の影響が顕著となり、売上高は308.32億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は8.78億円(同31.3%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は5.92億円(同33.5%減)だった。

■今11月期の連結業績予想は全体に据え置く

 影響のほうを先に挙げると、医薬品原料の製造販売などを行うファインケミカル事業では、原料輸入において納期遅延や輸送費の上乗せなどが発生しコスト圧迫要因になった。医薬事業では、感染症の蔓延により医療機関への受診抑制が広がり、医療用医薬品などに直接間接の影響があった。さらに、HBC・食品事業では、訪日観光客によるインバウンド需要の急減に加え、在宅勤務の増加などによるドラッグストア・薬局などでの需要減の影響を受けた。

 ただ、こうした中で、ファインケミカル事業では、ジェネリック原薬・新薬用中間体の販売強化に努めたほか、医薬品の開発から生産まで支援するCDMO分野は生産高・受注高共に堅調に推移し、医薬品原料の製造販売は全般が堅調に推移した。医薬事業も、主力の副腎皮質ホルモン剤などの外皮用剤や男性型脱毛治療薬、消毒剤の販売が伸びた。一般用医薬品ではビタミンC末・錠、新型コロナウイルス感染症対策向けうがい薬や提携外用新製品が伸びた。

 また、化学品事業は、プリント配線板微細回路形成用シードエッチング剤や硫酸銅めっき添加剤などが「5G」などの高速大容量移動通信システム関連の需要増加に応える形で大きく伸びた。

 こうした推移により、通期・20年11月期の連結業績予想は、同年1月に公表した業績予想に変更なく、売上高は640億円(前期比3.8%の増加)、営業利益は22億円(同3.7%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(同10.9%の増加)、予想1株利益は51円95銭、を各々据え置いた。(HC)

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