綿半ホールディングスは戻り試す、6月既存店売上は2ヶ月連続プラス

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 綿半ホールディングス<3199>(東1)はホームセンター中心の小売事業、および建設事業、貿易事業を展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響を考慮して横ばい予想としているが、小売事業の20年6月既存店売上は巣ごもり需要で109.6%と好調だった。2ヶ月連続の前年比プラスである。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は小動きだが水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。なお7月30日に第1四半期決算発表を予定している。

■小売事業、建設事業、貿易事業を展開

 ホームセンター中心の小売事業、および建設事業、貿易事業を展開している。20年3月期のセグメント別売上高構成比は小売事業65%、建設事業31%、貿易事業4%、その他0%、営業利益構成比(調整前)は小売事業43%、建設事業29%、貿易事業24%、その他3%だった。

 なお20年6月には「長野県SDGs推進企業」に登録された。

■小売事業はEDLP×EDLC戦略を推進

 小売事業は、綿半ホームエイドが長野県を中心にスーパーセンター業態とホームセンター業態、綿半フレッシュマーケットが愛知県を中心に食品スーパー業態、綿半Jマートが関東甲信越エリアにホームセンター業態を展開している。

 18年12月家電・パソコン通販サイト「PCボンバー」運営のアベルネットを子会社化(20年6月綿半ドットコムに社名変更)、19年4月長野県内で「お茶元みはら胡蝶庵」を展開する丸三三原商店を子会社化(19年11月綿半三原商店に社名変更)、19年8月戸建木造住宅FC事業を展開するサイエンスホーム(浜松市)を子会社化した。

 M&Aも活用したエリア拡大と売場面積拡大、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)×EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略、綿半パートナーズによるグループ商品仕入原価低減とPB商品共同開発・相互供給、全社を一本化する新基幹システムの導入と物流改革などを推進している。

■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み

 建設事業は、綿半ソリューションズが建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開し、長尺屋根工事および自走式立体駐車場工事を強みとしている。

 長尺屋根工事では工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行うWKカバー工法で特許を取得し、自走式立体駐車場工事では柱の少ない「ステージダブル」など国土交通省の認定を多数有している。

■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを輸入販売

 貿易事業は、医薬品・化成品向け天然原料輸入専門商社の綿半トレーディングが展開している。

 ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など特定分野に強みを持ち、製造部門はHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。

■21年3月期横ばい予想だが6月の既存店売上は2ヶ月連続で前年比プラス

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比0.1%増の1202億77百万円で、営業利益が0.6%増の26億53百万円、経常利益が1.4%増の28億51百万円、純利益が8.6%増の16億50百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の34円(期末一括)である。

 新型コロナウイルスの影響が上期に収束する想定で、通期横ばい予想としている。セグメント別の計画は、小売事業の売上高が5.6%増の819億85百万円で利益が3.6%増の16億81百万円、建設事業の売上高が12.6%減の322億07百万円で利益が10.7%増の12億10百万円、貿易事業の売上高が7.1%増の57億70百万円で利益が0.2%増の9億16百万円としている。

 新型コロナウイルスの影響については、建設事業で発注延期などが懸念されるが、小売事業では巣ごもり消費が追い風となる。通期ベースで収益拡大を期待したい。

 なお小売事業の月次売上(速報値)を見ると、20年6月は全店が109.2%、既存店が109.6%だった。巣ごもり消費で既存店売上は2ヶ月連続の前年比プラスだった。日用品・DIY・園芸用品・生活家電が好調だった。なお20年4月~6月累計では全店104.5%、既存店105.0%となった。

■景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を目指す

 中期ビジョンでは基本方針に「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」を掲げ、多様性のある経営人財の育成、IT化推進による経営改革、M&A推進のための財務体質強化、長期を見据えた海外展開の準備に取り組んでいる。

 中期経営計画では、目標値に22年3月期売上高1200億円(小売事業790億円、建設事業350億円、貿易事業58億円、その他2億円)、経常利益32億円を掲げている。小売事業は既存店売上を維持しながらネット通販など販売手法の多様化を推進し、コスト面では新決済システムや物流改革による効率化を推進する。新規出店は3年間で売場面積4500坪拡大を目指す。建設事業は新製品開発や工場ロボット化による生産性向上、貿易事業は天然原料の新製品投入や販路拡大で収益力向上を目指す。

■株主優待制度は9月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、信州特産品や綿半ホームエイドPB商品詰め合わせなど(1点選択)を贈呈する。なお20年9月末対象から継続保有を対象条件に追加(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は小動きだが水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。7月10日の終値は1858円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS167円03銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想34円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1602円54銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約184億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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