【編集長の視点】綿半HDは年初来高値に肉薄、月次売上のプラス拡大で「巣ごもり消費」株人気が再燃

綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日13日に104円高の1962円と変わらずを含めて4営業日ぶりに急反発して引け、取引時間中には1968円まで買い進まれ今年2月5につけた年初来高値2006円に肉薄した。前週末7月10日に発表した今2021年3月期の6月度売上高が、2カ月連続で前年同月を上回り、プラス幅を拡大させたことも手掛かりに新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応した「巣ごもり消費」関連株人気の高まりを期待し割安修正買いが再燃した。同社の今2021年3月期業績は、6期連続で過去最高更新が予想されており、この確度が一段と高まるとも再評価されている。

■リアル店舗の活性化とEC販売の品揃え拡充が相乗効果

 同社の6月度売上高は、既存店が前年同月比9.6%増、全店が9.2%増と2カ月連続プラスとなり、プラス幅は前月5月度よりそれぞれ3ポイント超拡大させた。新型コロナウイルス感染症対応で営業時間を短縮させていた店舗の営業時間を一部店舗を除き通常通りの営業時間に戻し、休日が前年より2日少なかったにかかわらず、気温上昇とともに冷房用品などの季節商品が好調に推移し、巣ごもり消費の継続で日用品、DIY・園芸用品、生活家電品などが順調に推移したことが要因となった。

 なかでも店舗政策では、中野店などの店舗改装を積極化し、電子マネーカード「goca(ゴウカ)」の順次導入を進め、さらにインターネット通販では、2018年12月にグループ会社化した家電・パソコンの通販サイト「PCボンバー」を展開するアベルネットを「綿半ドットコム」に商号変更するとともに、同サイトでプロ向け建設資材の販売も開始し、親会社の建設事業と仕入を共有化、品揃えと販売網を拡大させたことも大きな背景となっている。

 このリアル店舗とEC販売の相乗効果で、同社の今2021年3月期業績は、売り上げ1202億7700万円(前期比0.1%増)、営業利益26億5300万円(同0.6%増)、経常利益28億5100万円(同1.4%増)、純利益16億5000万円(同8.6%増)と6期連続の過去最高更新が見込まれている。また中期経営計画では、2022年3月期も売り上げ1200億円、経常利益32億円を目標にしている。

■PERは11倍と割安で年初来高値抜けで昨年高値奪回に弾み

 株価は、今年2月の年初来高値2006円から新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)、世界同時株安の波及で年初来安値1193円へ突っ込み、以来5カ月、下げ過ぎ修正に「巣ごもり消費」関連株買い、さらに今期業績の6期連続過去最高更新予想が加わり、25日移動平均線にサポートされながら年初来急落幅をクリアしつつ三角保ち合いを続けてきた。投資採算的にPERは11倍台、PBR1.22倍と割安であり、25日線を上放れたここからは年初来高値抜けで弾みをつけ昨年7月29日につけた昨年来高値2576円奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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