川崎近海汽船は21年3月期1Q赤字、通期も赤字予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は7月31日の取引時間中に21年3月期第1四半期の連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で赤字だった。また未定としていた第2四半期累計と通期の予想を開示し、いずれも赤字見込みとした。株価は売り優勢となったが、全体の地合い悪も影響したようだ。業績悪化懸念は織り込み済みと考えられ、下値は限定的だろう。

■21年3月期1Qは赤字、通期も赤字予想

 21年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比18.1%減の90億80百万円、営業利益が3億16百万円の赤字(前年同期は43百万円の赤字)、経常利益が3億31百万円の赤字(同68百万円の赤字)、純利益が1億27百万円の赤字(同13百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、外航海運(近海部門)では貨物輸送需要が減退し、市況が低迷した。内航海運でも荷動きが低調となり、移動制限の影響でフェリー利用者が減少した。

 未定としていた第2四半期累計と通期の連結業績予想を開示し、いずれも赤字見込みとした。通期の営業利益予想は14億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)である。また配当予想は20円減配の年間100円とした。当面は厳しい事業環境だが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は売り優勢となったが、全体の地合い悪も影響したようだ。業績悪化懸念は織り込み済みと考えられ、下値は限定的だろう。7月31日の終値は2436円、時価総額は約72億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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