ラクーン 第2四半期業績は増収大幅増益

■EC事業、Paid事業、売掛債権保証事業ともに堅調に推移

ラクーン<3031>(東マ)の15年4月期第2四半期連結業績は、EC事業、Paid事業、売掛債権保証事業ともに堅調に推移したことで、増収大幅増益となった。

第2四半期連結業績は、売上高9億96百万円(同6.6%増)、営業利益1億50百万円(同57.0%増)、経常利益1億51百万円(同61.6%増)、純利益95百万円(同36.6%増)。

同社は、EC事業、Paid事業、売掛債権保証事業の3事業を展開している。Paid事業は、第1四半期連結会計期間よりEC事業から切り離し「Paid事業」として新たにセグメント区分を追加している。

売上については、3事業ともに増収であったことから、過去最高の売上高となった。特に、第2四半期(8月から10月)では四半期間ベースで初めて5億円を上回った。

利益面については、売掛債権保証事業のセグメント利益が前年同期比62.8%増と大幅増益になったうえに、Paid事業の赤字が前期の△24百万円から△11百万円と大幅に縮小したことで、営業利益以下が大幅増益となった。その結果、営業利益率は15.1%と4.9ポイント改善している。

主力であるEC事業の業績は、売上高7億60百万円(同3.4%増)、セグメント利益89百万円(同32.4%増)と増収大幅増益。
スーパーデリバリーの流通額は46億97百万円(同6.1%増)と成長している。出展企業数は、MD(マーチャンダイジング・商品政策)施策の効果で、前期末比95社増と大幅に増加した。更に、人の配分の見直しを行ったことで、事業にかかる人件費が減少している。
CORECは、14年9月から有料プランの課金がスタートしている。事業を開始して間もなく、種蒔きの段階であることから、メンバー数を増やすことを重視している。10月には「スーパーデリバリー」と同様にSquareと業務提携し、POSレジアプリ「Squareレジ」とシステム連携を行っている。一方で、ユーザビリティ向上のために機能の追加も順次行っていて、第2四半期末におけるユーザー数は1,110社となっている。

Paid事業の業績は、売上高1億25百万円(同30.9%増)、セグメント利益△11百万円(前年同期△24百万円)と大幅増収により赤字幅が半減している。
加盟企業の増加と獲得した加盟企業の稼働率の向上に注力している。具体的には、マーケティング業務を強化して、認知度、知名度を向上した結果、問い合わせ数が増加している。また、ソリューション営業を推進し、加盟企業を獲得している。その結果、取引高が増加している。
四半期ベースの取引高の推移を見ると、前期第3四半期21億79百万円、前期第4四半期22億47百万円、今期第1四半期23億26百万円、今期第2四半期25億74百万円と順調に拡大している。
四半期ベースの売上高の推移を見ると、前期第3四半期55百万円、前期第4四半期56百万円、今期第1四半期59百万円、今期第2四半期66百万円と堅調に拡大している。

売掛債権保証事業の業績は、売上高2億98百万円(同12.1%増)、セグメント利益49百万円(同62.8%増)と2ケタ増収大幅増益。
保証残高は、消費増税前の駆け込み需要の反動減と代理店施策の変更により4月末の46億88百万円から7月末には42億26百万円と一旦減少したが、代理店経由のクライアントの新規契約続伸により、10月末は48億33百万円と復調している。
クライアントの間口を広げるために積極的に業務提携を行っている。これまでに愛媛銀行、スタンドファームと業務提携している。

今後の取組としては、スーパーデリバリーについては、顧客ベースを拡大すると共に、成長率の向上を目指している。そのために、Squareと業務提携し、スーパーデリバリーで購入した商品データをSquareリーダーと連携し、更に、SquareリーダーとSquareアナリティックスを連携することで、会計データを分析して売れ筋商品情報をスーパーデリバリーに知らせることで、商品の仕入れに役立てる仕組みを構築している。また、海外小売店への販売の強化、新規出店の自動化、管理画面のコンバート機能を付加することで顧客ベースの拡大を図る方針。

Paid事業については、ソリューション営業を推進することで、加盟企業の獲得を促進し、稼働率の向上に取り組む計画。既に、これまでの取組が奏功し、セグメント利益の黒字化は目前に迫っている。

売掛債権保証事業に関しては、保証残高の拡大を加速していくために、地場中堅中小企業を対象に「愛媛銀行」、全国の保険代理業を対象としたセミナーを開催する「RINGの会」、運送業を対象とした物流ネットワークサービスの「トラボックス」、小規模事業者を対象にクラウド請求サービスを提供する「Misoca」、オフィス・店舗入居企業を対象とした家賃保証サービスの「宅建ハトさん保証」と提携している。

CORECは、知名度を向上する一方で、COREC自身の機能向上によりユーザー数の増加を目指す。知名度を向上する取組としては、既にSquareと業務提携している。一方でSNSを活用することで、知名度のアップを図る。
機能向上を実現するためには、ユーザーの声を吸い上げ、それを反映することで基本機能の拡充を図る計画。

以上の取組を行うことで、今期15年4月期連結業績は、売上高20億円(前期比3.5%増)~20億50百万円(同6.1%増)、営業利益2億75百万円(同11.3%増)~2億85百万円(同15.4%増)、経常利益2億70百万円(同8.9%増)~2億80百万円(同12.9%増)、純利益1億45百万円(同17.9%増)~1億55百万円(同26.0%増)を見込む。

スーパーデリバリーを核として、その周辺事業で新規事業を立ち上げている。中でも売掛債権保証事業は、大幅増収増益と第2の柱に成長している。また、Paid事業も黒字化にあと一歩のところまで来ていることから、今後の事業拡大は確実と思われる。

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