【業績で見る株価】メタウォーター上場来高値更新、浄水場、下水処理関連で好事業環境

業績で見る株価

メタウォーター<9551>(東1部・売買単位100株)は、上場来高値を更新中で3000円台乗せが目前となっている。浄水場や下水処理場の各プロセスで使用されている機械設備の設計・建設、さらに運転するための電気設備の設計と建設を主事業にしている。

現在、水道普及率は約100%に達しているものの、新たな浄水場建設が、地方の人口減少に伴う浄水場の統廃合で発生しているうえに、老朽化が進み今後、本格的な更新需要が予想されている。水道投資額の推移をみると、1980年前後と2000年前後に大きな投資額の山場を迎えていることから「おおよそ20年周期で投資が高まる傾向」(会社側)にある。

このサイクルを当てはめると3回目の山場が「2020年に向けて形成される」(同)可能性が高い。1998年に1兆8000億円を超えていた投資額が2008年には1兆円を割り込み、最近ではほぼ低水準で推移していた。それが、ようやく盛り返す兆しが出てきたのだ。

浄水場、下水処理の機械・電気関連設備市場(現在約6000億~8000億円の規模)で約1000億円の売上高を誇る同社にとって、大きなビジネスチャンスを迎えることになりそう。同社は、2020年度売上高1500億円、2025年度同2000億円をイメージしているが、目下、「中期経営計画を策定中」(同)で近く発表される見込み。

2016年3月期は売上高1110億円(前期比3.8%増)、営業利益84億円(同2.2%増)、経常利益81億円(同1.4%減)、当期純利益52億円(同4.2%増)と増収増益の見通し。1株利益は200円と高水準をキープし、中期的な展望に立てば業績見通しは明るさを増してくる公算大きい。

これを受けて株価は上値傾向を強め、3000円台に肉薄。PERは15倍と割安水準。値動きの良さから買いが買いを呼び上げ足を速めるとの見方がある一方、中期狙いで最適銘柄との評判も台頭しつつあるのは確かなようだ。

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