クリーク・アンド・リバー社は上値試す、21年2月期上振れの可能性

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)はクリエイティブ分野を中心にエージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、事業領域拡大戦略を加速している。21年2月期は新型コロナウイルスの影響を吸収して大幅増益予想である。さらに上振れの可能性がありそうだ。株価は7月の年初来高値から一旦反落したが素早く反発の動きを強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、ライツマネジメント(著作権管理)事業を主力としている。

 20年2月期のセグメント別売上構成比は、日本クリエイティブ分野74%、医療分野12%、会計・法曹分野6%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)7%、営業利益構成比(調整前)は日本クリエイティブ分野63%、医療分野35%、会計・法曹分野11%、その他▲10%だった。

 なお韓国クリエイティブ分野は、TVマーケット関連事業を新設会社に承継してCREEK&RIVER ENTERTAINMENTを18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社としたが、20年1月9日付で株式を追加取得し、改めて連結子会社化した。

 収益面では、医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調である。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

■事業領域拡大戦略を加速

 M&Aも積極活用して事業領域拡大戦略を加速し、新規エージェンシー事業として建築、ファッション、シェフ、プロフェッサー、ドローン、舞台芸術、リサーチャー(研究開発支援者)を展開している。

 また新規サービスとしては、米国C&R GlobalがJURISTERRAを活用した法務領域コンサルティングサービス、プロフェッショナルメディアが求人メディア運営、VR Japanが中国IDEALENS社製VRゴーグル販売、台湾インツミット社と合弁のIdrasysがAIプラットフォーム「SmartRobot」開発、エコノミックインデックスがデータ分析サービス、クレイテックワークスがゲームコンテンツ開発・運営を展開している。

 VR関連ではVR Japanが20年1月、コニカミノルタおよびNTTドコモとの5Gを活用した共同実証実験において、360度映像という大容量データを1秒以下の低遅速で配信することに成功した。AI・ロボット関連では19年6月、クラウドAIプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」を使ったAI予測モデル構築支援サービスを開始した。クレイテックワークスは自社開発ゲーム「パレットパレード」が不振のためモデル転換を推進している。

 19年9月にはジェイアール東日本企画と共同で、データドリブンマーケティング事業を推進する新会社JDDLを設立した。またクレイテックワークスが、インタラクティブブレインズの3DCGアバター事業、VR事業、コンテンツ開発事業を譲り受けた。20年7月には、VR・Web関連を展開するGruneを子会社化、NHKおよび関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣などを展開するウイングを子会社化した。

 8月6日にはCXOエージェンシー事業の本格始動を発表した。企業向けに共創サービス、コンサルティングサービス、CXO人材採用支援サービスを提供する。

 なお18年3月には東大発バイオベンチャーのCO2資源化研究所(UCDI)に出資し、水素と二酸化炭素から菌体を培養してBiofeeds(バイオフィーズ:飼料蛋白素材)やバイオ燃料の資源化を目指す研究開発に協力している。

■21年2月期大幅増益予想、1Q大幅増益で通期上振れの可能性

 21年2月期の連結業績予想は、売上高が20年2月期比21.4%増の400億円、営業利益が24.8%増の26億円、経常利益が23.6%増の26億円、純利益が17.7%増の16億円としている。配当予想は1円増配の16円(期末一括)である。

 各分野のベース事業の伸長に注力し、新型コロナウイルスの影響を吸収して大幅増益予想としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、日本クリエイティブ分野が16億35百万円、韓国クリエイティブ分野が20百万円、医療分野が8億円、会計・法曹分野が2億60百万円、その他が90百万円の赤字としている。新規エージェンシーとしてCXおよびアスリートを開始する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比15.2%増の94億86百万円、営業利益が33.2%増の10億49百万円、経常利益が34.5%増の10億62百万円、純利益が40.1%増の7億09百万円だった。四半期ベースで過去最高業績だった。

 日本クリエイティブ分野の既存事業(テレビ・ゲーム・Webのプロデュース・派遣および紹介・ライツ)の好調が牽引し、韓国事業の再連結化も寄与した。新型コロナウイルスの影響(派遣・紹介・請負の新規稼働・成約の進捗遅れ、医療分野の医学生・研修医向けレジナビフェア開催中止やスポット勤務需要減少、緊急事態宣言によるアパレル販売職社員の自宅待機発生、VR機材の生産ラインストップによる注文キャンセルなど、間接的影響を含めて売上高6億円、営業利益2.5億円のマイナス影響と試算)を吸収して大幅増益だった。新規事業投資による営業利益へのマイナス影響額は約1.3億円だった。

 第1四半期の進捗率は売上高が23%、営業利益が40%だった。医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性があるが、通期上振れの可能性がありそうだ。ポストコロナ時代への対応としてオンライン企画も連日開催している。中期的にも収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 4月9日発表した自己株式取得(上限80万株・5億円、期間20年4月10日~20年8月31日)は、20年7月31日時点で累計取得株式数19万200株となった。

 株価は7月の年初来高値から一旦反落したが素早く反発の動きを強めている。好業績を評価して、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月12日の終値は1230円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS74円72銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS386円09銭で算出)は約3.2倍、時価総額は約283億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    新着記事

    ピックアップ記事

    1. ■東京2020オリンピック競技大会まであと200日!  東京2020大会のゴールド証券パート…
    2.  2020年1月6日(月)、日本取引所グループ(JPX)は東京証券取引所で新年恒例の「大発会」を…
    3. 株式市場における主要テーマとして注目  ブロックチェーンの技術を活用した新たな金融サービスの…
    2020年9月
    « 8月    
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  

    アーカイブ

    IRインタビュー 一覧

    テンポイノベーション・原康雄社長 アルコニックスの竹井正人社長 JPホールディングス・古川浩一郎社長に聞く Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く イワキの岩城慶太郎副社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る